皆さま、こんばんは。

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(今のサーラ)

サーラのお散歩でお会いする、老夫婦のお話です。

今日、お父さんの方にお散歩でお会いした際、7月の下旬に東京を離れ、関西に帰ることになったとお聞きしました。

東京にみえたのは13年前で、次男ご夫婦が東京へ転勤になり、お孫さんとも離ればなれになることから、神戸の家を処分されてこちらに引っ越してきたとお聞きしていました。

引っ越してきた時点で、すでにお仕事はリタイアされていたと記憶しています。

独身のご長男が東京で働いていたことも、関西から東京への転居を後押ししたようです。

ところが、老夫婦がこちらにみえてわずか2年ほどで、次男ご夫婦は再び関西へ転勤になってしまったのです。

そのため、独身のご長男がよくご両親のお相手をされていたようです。

ご長男は外資系の企業にお勤めで、営業成績も優秀だったようです。

会社の褒賞で招待された海外旅行に、よくご両親を連れていってあげているようでした。

僕は時折、お父さんから、息子が会社の褒賞で海外旅行に連れていってくれたというお話をお聞きしたものです。

そのご長男が40代の後半になって結婚をされたと、お聞きしていました。

そして、今年の春、お父さんになるということも。


(今日のサーラ)

ところが、そのご長男が急逝されたのです。

赤ちゃんが生まれる一週間ほど前に、脳血管系でほぼ即死の状態だったそうです。

生まれてくる我が子の顔を見ることなく逝ってしまったのです。

そのお話をお聞きしたあと、僕は老夫婦のお宅を訪ねました。

ご自宅にはご長男の遺骨がありました。

ご長男は、三軒茶屋に家を建てたばかりだったそうですが、奥さんは生まれたばかりの赤ん坊を連れて横浜のご実家に戻られたそうです。

おそらく家のローンは保険でカバーできるはずですので、その家を処分されて、お子さんを大学までやるための養育費にされるのだろうか?などと心のうちで想像しました。

奥さんのお父さんかお母さんのご実家が、関西で造り酒屋を営んでいるらしく、跡取りがいないのでお孫さんをいつか関西に連れていきたいという話が出ているともお聞きしました。

お線香をあげさせていただいた後、「健康診断は受けておられましたよね?」とお聞きしたところ、お母さんの方が「外資は健康管理については自己責任なんですよ」とおっしゃいました。

「だから、仕方がないんです」と。




そして今日、お父さんとサーラのお散歩中にお会いし、犬同士がじゃれあっている間、引っ越しに関するお話をお聞きしたというわけです。

「次男家族の住んでいる西宮のマンションの一室が売りに出たので買いました。7階と8階なんですよ」と。

僕は、「さみしくなりますけれども、お子さんやお孫さんは、きっと喜んでおられますね」とお伝えしました。

お父さんは、「東京に比べたら、驚くほど広いマンションが買えるんですよ」と言って笑いました。

このご夫婦にとって、東京での暮らしは最後に苦いものになってしまいました。

でも、ご長男の運命が変えられなかったとするならば、ご長男の近くにいてあげられただけでもよかったのでしょうか?

僕には、わかりません。

返す言葉が見つからぬ中で、僕はこうお伝えしました。

「あと2ヵ月、よろしくお願いします」

おそらく、2ヵ月の間に何度かはお会いできるのでしょう

そして、お引っ越しをされたら、もうお会いすることはないのでしょう。

それでも、こうしてふれあえたということは、確かにご縁があったということに違いないと感じているのです。