(サーラ)

皆さま、こんばんは。

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さて、ずいぶん昔のことであるが、ある高名な作家が、動物について書いているのを読んだことがある。

「人間は歳をとると、動物とだけ暮らしたくなるのだ」と。

それを読んだのは、たしか中学生くらいの時だった気がする。

それから数十年の時を経て、実感を持ってあの言葉を噛み締めている自分がいることに気づく。

自分も含め、人間とは面倒くさいものであると思う。

人間は、言葉を話す。

そして、理屈を言う。

感情を言葉でわからせようとする。

自分が正しいと叫ぶ。

正しさを証明しようとする。

親子、兄弟、夫婦、恋人同士でさえも、なかなか分かり合えないことなど日常茶飯事である。

いわんや、赤の他人や仕事の関係者であれば、さらに難しい。

いや、むしろ肉親であるがゆえに、赤の他人や仕事関係者よりも、さらに難しいことすらある。

動物はいい。

生き方がシンプルだ。

どのような動物であれ、今を生きているように感じる。

明日を憂うことも、昨日を慢心したり、後悔することもない。

確かに、人間にしか成し得ないこともある。

そして、それは多岐にわたっている。

だが、それらはすべて、些末なことに過ぎないのではないかと思う。

少なくとも、僕たちがこの世界から旅立つ時に持っていけるのは、僕たちの心の中にあるものだけにちがいないのだから。


(サーラ)