ねえ、フーラ
あと三日で、おまえが虹の橋へと旅立ってから、四回目の月命日を迎えるね。
パパはね、
おまえのことで、二つ自慢できることがあるんだ。
一つは、おまえとパパが出会うまでのおまえの半生より、パパとおまえが一緒に暮らした時間の方が長くなるまで、10年間以上、おまえの面倒をみられたこと。
もちろん、本当に大切なのは、決して単なる時間の長さなんかではないよ。
おそらく、人と保護犬の暮らしを考えた場合、最期の時を互いに寄り添いあって迎えられたら、犬にとっても、人間にとっても、きっとそれだけで幸せなことに違いない。
けれど、8歳になる直前に我が家にきたおまえが、18歳を超えるまで、長い時間を共に暮らせたことに、パパは誇りを持っているよ。
悲しみはあるけれど、悔いは無いと思えるところまで、なんとか頑張れたような気がしているんだ。
そして、パパのもう一つの自慢は、おまえが「パパ命」だったこと(笑)
保護団体さんの卒業犬会で出会った人をはじめ、ご近所さんや、お散歩友達、ドッグカフェで出会った人たちまで、みんながおまえを「かわいい」と言ってくれたね。
そして、抱っこさせて欲しいと、よく言われたものだ。
でも、誰かが抱っこしようとすると、そのたびに、おまえは露骨に拒絶の姿勢を見せるんだ。
後ろ脚をピンと伸ばして突っ張って、抱っこをさせないんだよね(笑)
女の人の胸に、後ろ脚を突き立てて抱っこを拒絶してたこともあったもんな(笑)
そのたびに、みんな、「そうなの~、いやなの~、パパがいいの~」
と言って、笑ってくれたものだった。
そんな時、パパは「すみませ~ん」とか言いながら、鼻高々だったんだ。
誰も、嫌な顔をしなかったね。
おまえの幸せを、みんなが祈り、祝ってくれていたんだよ。
いつもお世話になったトリマーのマーさんも、おまえはパパ命で媚びない子だって、おっしゃっていたよ。
トイプードルは要領のいい子が多いから、飼い主さんがいないとトリマーさんに愛想を振りまく子が多いけど、フーラちゃんは全然違うって。
パパ命だって。
パパは、うれしかったなぁ。
でも、パパは本当は分かっていたんだよ。
フーラは、いい子だから、本当は誰にでも愛想よくできるけど、愛想よくしたらパパのところへ帰れないかも?って、いつも心配していたんだよね?
おまえはとても頭のいい子だったし、パパはそういうおまえの寂しさやトラウマのようなものを感じていたよ。
だから、本当は、何ひとつ心配しなくて大丈夫だって伝えたかった。
でも、最後まで、うまく伝えられなかったね。
まぁ、いつも抱きしめていたから、いいよね。
パパもやっぱり、パパ命でいて欲しかったんだ。
ありがとうね、フーラ
パパは、最近お酒をあまり飲まないけれど、今夜はおまえと一緒にビールを飲むことにしよう。
おまえのために、乾杯だ。
昨晩は、おまえの笑顔のように輝く満月がお空で微笑んでいたけれど、今夜は台風が来るから、曇り空になってしまったね。
今、おまえがお空にいるにせよ、パパのそばにいるにせよ、おまえの魂がいつも安らかであるように祈っている。
パパは、パパがこの世界に来た大きな理由のひとつはだったはずの、おまえとの暮らしを終えました。
いつも共にあるおまえと、再び会える日を心待ちにして、パパはこの世界でのこれからの残りの日々を、楽しむことにしようと思う。
パパがそっちに行った時には、フェイントをかけたりせずに、まっすぐにパパに向かって飛んできておくれよ。
約束だよ
フーラ





