どうしていますか?
元気にしていますか?
パパの声が聞こえるかい?
今日は、
パパのお話を
聞いて欲しいんだ。
おまえが旅立っていった、
3月30日14時40分前から、
パパの時間は、
やっぱり
止まってしまったよ。
パパは、
おまえのお世話が
なくなったかわりに、
今は、
一日に何度か
そっと涙を流すのが
お仕事に変わりました。
今日は、
先週と同じように
パパのお休みでした。
パパは、
おまえのいない家に
ひとりでいるのがつらくて、
街へ出て、
スタバで
コーヒーを飲みながら、
これを書いています。
おまえがいないお休みを
一人で過ごすのは、
もう10年ぶりになるよ。
パパは、
ひとりで
なにをすればいいのか、
わかりません。
先週の今日は、
おまえと
一日中一緒にいられた、
最後の日になったね。
あの時は、
明日やって来ることを
何も知らないまま、
ふたりで過ごしていたんだね。
パパにできたことは、
おまえのオムツを替え、
点滴をして、
頭をなで、
ただ、
励ますことだけだった。
うれしさよりも
切なさの方が大きかった。
おまえの
まっすぐに
パパを見つめる
澄み切った瞳だけが、
パパの支えだったんだよ。
終わりが見えない不安、
限界に近づきつつある体力、
それなのに、
確実に終わりが
そばに来ているという実感。
パパの心は、
押しつぶされそうだったけど、
おまえが生きていてくれる、
ただ、そのことだけが、
パパを支えてくれていたんだ。
おまえが
骨になってしまってから、
パパはできるだけ、
おまえが苦しんだ
最後の闘病ではでなく、
おまえと川原を散歩したり、
旅行に行ったり、
美味しそうに
ご飯を食べているところや
一緒にいろいろなところへ
お出かけしたこと、
楽しかった想い出を
考えるようにしているよ。
そして、微笑んだりも
しているんだ。
ただ普通に
暮らしていただけの
毎日が、
光り輝く宝石のように
美しく
かけがえのない
日々だったんだね。
そして、結局、
何かにつけて、
最後に
涙があふれてしまうんだ。
もう、
おまえがいないというのに、
この星では、
あたりまえのように、
毎日、陽が昇り、
街には人々が行きかい、
笑いながら
パパの前を通り過ぎていく。
パパは、その中に、
ひとりで
じっと立ち尽くしているように
感じるんだ。
そして、相変わらず
おまえの存在を前提にして、
なにかをしてしまう。
もちろん、
ドッグフードやオムツを
いまさら
買ったりはしないよ。
パパが
いくらおっちょこちょいでも、
そんなことはしないさ。
もっと、
ささいなことなんだ。
朝、家を出るとき、
おまえのために
電気をつけて出てしまったり、
仕事中に、
いまフーラ大丈夫かな?
と考えてしまったり。
今日、何時に家に着けるかな?
点滴、何時にしよう?
と考えてしまったり。
そういうことが、
たくさんあるんだ。
そして、
そのたびに、
ああ、
もうフーラは
いないんだなって、
あらためて思うんだ。
そうだ、フーラ
ひとつ、
気づいたことかある。
パパは、
おまえの死に目に
会えなかったことを、
とても残念に思っている。
だけど、
やっぱり、わかったんだ。
おまえは、
パパがお休みだった
1週間前の今日、
3月29日の木曜日には、
もうすでに、
いつ死んでも
おかしくない状態だった。
でも、
パパがお休みで
ずっと
おまえのそばにいたから、
おまえも
パパと一緒にいたいと
思ってくれて、
がんばって、がんばって、
死なずに
いてくれたんだよね?
おまえは、
パパがワイシャツを着ると
お仕事だって、
ちゃんと理解している子だった。
だから、ほんとうは、
パパのお休みの木曜に、
パパの腕に抱かれて
旅立っていけばよかったのに、
金曜になって、
パパがワイシャツを着て
出かけてしまうまで、
「パパ、お仕事に行くんだね」
っておまえが分かるまで、
「もうお別れだよ」って、
おまえ自身が決めるまで、
パパの前では、
生きていてくれたんだね。
パパは、
少し時間が経って、
やっと、
そのことがわかりました。
やっと、
気づくことができました。
フーラ、、
だから、
あらためて、お礼を言わせてね。
ありがとう、フーラ。
ほんとうに、ありがとう。
おまえは、優しい子だった。
他のワンコに
喧嘩を売られても、
絶対に反応すらせず
流せる子だったもんね。
優しい、いい子だった。
きのう、
家に帰ったら、
おまえのために
アマゾンで買った
介護用ハーネスが
今ごろになって届いていました。
これを使って、
もう一度おまえと
表を歩けると、
あの時は信じていたんだよ。
パパは、いま、
おまえが
最後に枕にしていた
白いタオルを、
パパの枕の上に置いて、
おまえと
一緒に寝ています。
ただの白いタオルが、
パパにとっては
一生の宝物になりました。
これから先、
時間だけが
パパを癒してくれることを、
パパは知っています。
時間が確実に、
パパを癒していくことも
知っています。
たけど、
そういうことじゃないんだよ。
ねえ、フーラ。
パパの声が聞こえたら、
どうか、
お返事をしてください。
パパの心に、
おまえが
また、灯をともして欲しい。
それが、いま、
パパがなにより
見たい夢です。












