カクテルパーティー効果という心理学用語があります。これは、カクテルパーティーのようなガヤガヤとにぎやかな場所でも自分に関係ある言葉や会話は耳に入ってきやすく、聞き取ることができるという人間の聴覚効果のことです。

 

 雑多な情報が入り混じった状況でも、人間の脳は自分に関係のある情報だけを選別できるという理論です。人間というのは不思議なことにあふれるほどの情報と向き合った時、自分に関係のない情報、自分が必要でない情報はあまり脳や心に響きません。

 

 ところが逆に、自分に関係のある言葉やフレーズがあるとその他の情報をかき分けてでも耳に入ってくる。意識をしていなくても情報が響いてくる、届いてくるものなのです。

 

 飲食店で働いている人などは、「すみません」という単語に敏感であったりします。また、コンビニでアルバイトをしている人は、入り口の自動ドアのチャイムを聴くと反応してしまいます。人には、それぞれ反応しやすい言葉、キーワードがあって、その人のライフスタイルの中には、その言葉にともなう条件反射があります。相手の言葉を盗むことができるのであれば、相手が反応しやすい言葉になりますよね。

 

 相手と仲良くなりたいのであれば、相手のよく使っている言葉や癖などを観察して、意図的に会話の中に入れていくと親近感がわきやすくなります。相手が普段使っている言葉なので、反応してしまうのです。仲良くなりたいのであれば、相手の言葉を盗む意味は、そのことなのです。

 

 相手の真似をしていると思われないようにさりげなく使うことも大切です。言葉を盗むのですが、あからさまに真似されていると思われると嫌がれ、逆効果にもなりかねないです。 

 

 大切なことは、さりげなく相手の言葉を使うことです。

 NLPなんかで、ミラーリングと言って、相手の動作を真似て信頼関係を深める方法なんかもあります。人って、自分と共通点があると親近感を抱きやすいもの。相手のことを観察して、真似てみる。どんな変化が起こってくるかを確認しながら、やってみると効果のほどを確認できると思います。