母が健在だった頃、

よく、うちの前の道を、

ベビーカーを押して散歩する女性がいて、

母が声をかけるようになりました。

 

母が何度か声をかけて、

言葉を交わすうちに、

私ら夫婦も顔なじみになりました。

 

ベビーカーの赤ちゃんは、

何時しか歩くようになり、

うちの庭に入っては、

キャッキャワイワイするようになりました。

 

そのうちに、

彼女には2人目の男の子が生まれましたが、

母は入院となり2番目の男の子とは

会う事もなく、旅立ちました。

 

母が亡くなったことを話すと、

とても残念がってくれまして、

上の男の子と2人で

仏壇に手を合わせてくれました。

 

会えば言葉を交わす、

普通のご近所付き合いは続きましたけど、

1年前、ご主人の転勤で

茨城県に引っ越してしまいました。

 

そんな家族が、

GWの旅行の寄り道として

先日、やって来ました。

 

2歳だった男の子は3歳になり、

やんちゃさんになってました。

1年ぶりの再会でしたけど、

うちにやってくるなり、

仏壇の前に座り、

お線香をあげたがります。

 

ただ、線香をあげる行為が

珍しくて面白かっただけかもしれませんけど、

母のことをちゃんと覚えていてくれて、

線香をあげることは

何か意味があって、

その人の為にすべきことなんだと

感じているように思えました。

 

母の笑顔が見えた気がしました。