三人とも黒い動物のお面をかぶっていた。右にいるピンクの髪の色の女はが耳の垂れているウサギのお面で、まん中にいる男がカラスのお面で最後の女はネコのお面で1つ結びだった。「ここを通りたければ私たちを倒してから行きなさい!」ウサギの仮面をかぶった女がいった。「フン!やれるもんならやってみろ!」ツバサが言った。「いいだろう・・・。だが、条件がひとつある。」カラスのお面をかぶった男が静かに続けていった。「丁度、私たちは三人ずついる。 だから一対一で勝負しようじゃないか。もちろん手助けなどはナシだ。」男はそういうと指をパチンと1回鳴らした。すると地面から太い蔦が生えてきてイズミとツバサを取り押さえた。

「くそ!何だこれは・・・」ツバサがもがきながら言った。「大体のやつらは注意を言っても、すぐルール違反してしまうからなあ・・・・・・・・大丈夫だ。殺しはしない、ただ死ぬほど痛くなるかもかもしれないがな。」男はそういうと今度は少し焦っているナオの方を見て、静かに言った。「お前ならすぐ決着がつくだろう。・・・・・・・・もう来ていいぞ。」男がそういうと、ナオは構えた。だがその瞬間男は全速力で走ってきてそのままナオを通り過ぎた。そのとき、いきなりナオは目の色を変えて倒れてそのまま動かなくなった。「え!?な・・・なんで?」イズミは思わず声をあげた。「おい!殺さないんじゃなかったのか!!お前の方が卑怯だ!」ツバサが男に向かって叫んだ。「殺した?卑怯?何をいっている、コイツならまだ生きているぞ」確かによーく見るとナオはちゃんと息をしている。男はまた指をパチンと鳴らした。するとまた蔦が生えてきて、ナオをイズミたちの方に運ばせた。「さてと、次は・・・・よし。お前だ」男はそういうとツバサにへばりついている、蔦を離した。

「そして、お前のお相手は・・・・・立夏(りっか)、お前が行け」男が言うと立夏と呼ばれたウサギのお面をかぶった女が前に出た。「さあ、早く前に出なさいよ」立夏が言うと、ツバサは眉間にしわを寄せながら前に出た。

「へえ~。結構いい顔してんじゃない?」立夏が腕を組みながらつぶやいた。「もうきてもいいのよ」

立夏が言うと、男は手を耳にあてて何かをつぶやいたりして手を戻して言った。「まて。そろそろ時間がなくなってきた。だから、同時に戦ってほしい。ちゃんとバリアも作る」男はそういうと何かを唱えた。すると、無理やり蔦から前に出されたイズミとツバサの間に二つの長方形の光が壁のように出てきた。「さあもういいぞ」

男が言うと立夏の方は戦闘が開始させていた。

イズミの方ではネコのお面をかぶった女が無言で立っていた。女といっても見た目はイズミと同じくらいだった。「も・・・もうきてもいいんだよね・・・・」イズミがごもりながら言う。「・・・・・・・・・・・」女は相変わらず無言だった。イズミが、行っていいのか・行ってはいけないのか、考えていた瞬間、突然女はふところから真っ黒な横笛を出して不気味な音色を流した。その音色を聞いた瞬間イズミには激しい頭痛が起こった。

「っが!?くうう・・・・。あ・・・・頭が・・・!」頭を抱えているイズミに女はさらに追い討ちをかけた。

倒れていたイズミが目を開けると女が上からイズミのことを見下ろしていた。そして、横笛が鋭ナイフに変わり、それをイズミに向けて振り下ろした。(こ・・・・このままじゃ・・・私・・・・殺されちゃう!!)

そして女が振り下ろしたナイフをイズミは素早くよけた。ナイフは地面に刺さり、女はイズミの方を向いた。

「・・・・・・・・」女はいきなりものすごい速さで、イズミに蹴りを入れてきた。イズミは見事にその攻撃を受け止めた。そして2人は同時に力を抜き、後ろへ下がった。そして沈黙が続く。音がするといえば構えているときの足のジリッという音だけだった。

                            バン!!

男が作ったバリアにツバサがぶつかってきた。中の音は聞こえないがツバサはとても苦しそうだった。

すごい傷だらけで、ダランと垂れている片手を震えるもう片方の手で必死につかんでいた。

イズミの冷や汗が次から次へと顔をしたたっていく。そのとき女が動き出した。

ツバサの怪我のことも気にすることは出来ず、イズミは女の攻撃をかわした。今度はイズミが女に攻撃した。だが、女もイズミと同じく攻撃を受け止めた。そのあとも互角の戦いが続き、なかなか決着がつかなかった。とうとう2人の限界が見え始めてきた。

ツバサはとても悪戦苦闘だった。立夏は手に何本も血のついている金属製の針を持っていて余裕そうに

言った。「ツバサっつったけ?どうする?ギブする?いまムリせずにギブすれば命は助かるわよ」

「・・・・・・・・・・・」ツバサは何も言わなかった。「あ・・・そう。仕方ないわね結構イケメンだったけど殺しちゃうか・・・覚悟はいいわよね」立夏はそういうと針を持っている両手をクロスさせて構えた。

                         シュルルルル!!

                       「うわわあああ!!」  

そのとき外にいた男が悲鳴をあげて倒れた。イズミたちは静まり返った。

そこにはムチを元に戻すツバキがいた。「医師塚さん!?」イズミは思わず叫んだ。

「今助けるよ!!」ツバキはそういうと呪文を唱えて、バリアを壊した。                  続く