城の入り口の近くまでくるとそばにいた2人の兵士たちがイズミたちに恐ろしい目でにらんで、一人が言った。「お前らは何しにここへ来た。」「え・・・・えっと・・・呼ばれたんです。・・・・えっと・・・その・・・・たしか・・・・・ドリーム=ラティス・クリーズィスさんでしたっけ・・・」イズミは緊張してどもりながら言った。「なに?嬢陛下が!?ちょっと頭かしてくれ」もう一人の兵士が言うといきなりイズミの頭を片手でわしずかみした。数秒たつと手を離していった。「よかろう。中に入ってもいいぞ。他の兵士たちにも伝えておく。だが、いいか?いま、王様は怒り狂っている。それで嬢陛下はお前たちを呼んだと思う。」そこまで言うと兵士は言葉を止めて、雲に隠れて上がり見えないが城のてっぺんのドームのような丸い大広間を指差して言った。「あそこにいるはずだから、くれぐれも死ぬなよ。あっちの兵士(奴ら)も悪戦苦闘してるからな・・・。」兵士がそういうとイズミとナオは少し冷や汗をかいた。それを見たもう一人の方の兵士は優しく微笑んで言った。「大丈夫だ。嬢様がお前たちを選んだほどだからな。きっと王様ものびるんじゃないか?まあ勝つことを祈ってるぞ」そして2人の兵士は片手を入り口の大きな扉の方に大きく伸ばした。すると、扉がゆっくり奥に開いていった。「さ、中にどうぞ」そういわれてイズミとナオはドキドキしながら、ゆっくり入っていった。「気をつけていきな!」2人の兵士が同時に言うと、イズミたちは、振り返って手を振った。廊下をわたっていくと大広間に着いた。目の前には大きな螺旋階段があり、それをたどって上を見ると階段は先が見えないほど長かった。「もう・・・ムリだねこんなの登る前に倒れちゃうよ」イズミが気分が悪そうに口ずさんだ。そのときチ-ンと音がしてその音の方向に目を向けると何も無かったはずの壁の一部からスウとドアが開き、そこから別の兵士が出てきて言った。「門番からあなた方のことは聞いております。さ、急いで乗ってください」ドアの中に入るとその中はエレベーターだった。ドアが閉まるとものすごいスピードで静かに上へ上がっていった。そしてたまに外の光がチカチカしていた。「あの、さっきの螺旋階段ってなんですか?」ナオが兵士に質問した。「あー、あれですか。あれは王様の趣味で作った、幻覚です。あれは登れませんからね。どうしてあんなに優しかった王様がこんなことをしてしまったのでしょう」兵士の顔が悲しそうになっていく。そしてあっという間に目的地についた。「ここからはあなた方だけで言ってください。ここの階段を登れば最上階です」そういうとドアはしまり、エレベーターは下に向かって下がっていった。

階段を登っていくと扉がありそれを開くとすさまじい音がでてきて巨大な龍が暴れていた。近くには檻に閉じ込められた女の人がいた。「あ!あれはさっき私が言った、女王さま!」嬢といわれた女の人はイズミの夢の中に出てきたときとは表情が違った。とても脅えている。「やめて!!あなた!一体どうしたのよ!何でこんなことするの!?」嬢はいったが龍は聞こうとせずさらに増して暴れ出した。「まさか王様ってあの龍のこと!?」「このままじゃ大変なことになっちゃうよ!早く助けなきゃ!!」そしてイズミとナオはすかさず檻の方へ走っていった。だが行く途中で龍が気づき、攻撃をしてきた。「イズミ!ここは私がやるから早く!!」ナオはそういうと、龍の攻撃を必死に止めに行った。イズミはクナイを取り出して檻につけられていた鎖を思いっきりクナイで傷つけた。そしてやっと鎖が壊れて、檻の出入り口が開いた。「ありがとう。あの人、王様は何者かに摂りつかれているのよ。だからどうにかしなくちゃいけないの。いい?王様は一定の楽器の音楽にとても弱いの。そう、その楽器はあのこが持っている、あの楽器なの。だからあの楽器で王様の動きを止めさせてその間に彼方が攻撃して。でも何があっても殺しちゃだめよ。せいぜい気絶ぐらいね」嬢は早口で言った。「あ、はい。分かりました」イズミはそれを聞き終わると、すぐさまナオに大声で知らせた。「ナオ!アンタの持ってるその笛で何でもいいから音楽を吹いて!!」そういわれると、ナオはすぐ笛を取り出して曲を吹いた。

続く