今日はクリスマス。商店街はお店の飾りでキラキラと輝いていた。そして、その商店街にある広場には大きなツリーが置いてあり、それも飾りできれいに光っていた。そのツリーの下にナオが立っていた。ナオは誰かを待っていて退屈そうにしていて、たまに足を揺らして手袋をはめていた両手でハアー、と白い息をはいていた。誰かが来るのに気がつくとナオは手を振り上げた。「おはよう。イズミ」ナオは走って来て息切れをしているイズミにいった。「ハアハア・・・ゴメン遅れちゃった・・ハアハア」「いいよ、いいよ別に気にしてないし」ナオがイズミにいった。「それじゃあ、いこっか」ナオがいうと、イズミは、ウン、と言って2人は歩いていった。「どう?いいとこあった?」イズミが聞く。「ううん。ここら辺はあまりないね。あったとしても値段が高いし」
どうやら2人はクリスマスのプレゼントを探しているらしい。「あ!ねえねえ、ナオ」イズミが何かを見ていった。なあに、とナオが聞くとイズミは指を刺して言った。「あそこにあんなお店なんてあったっけ?」ナオはイズミの指を刺している方向を見ていった。「確かあそこって、空き地じゃなかったっけ」そのお店は一見古そうで看板には色とりどりな色で『クリスマス ショップ』と書いてあった。イズミたちはお店の前にきてお店の前にある黒板を見た。そこには白いチョークでこう書いてあった。『クリスマス当日限定ショップ メニュー ドリームキャッチャー:五十円・・・・・』そこには見本のドリームキャッチャーがついてあった.。「うわーやすーい!でもなんか不良品っぽいなあ・・・・」ナオが口ずさんだ。ショーウィンドーを見ると小さなクリスマスツリーと小さな天使たちがあった。他にも色々クリスマスに関係しているものがたくさんあった。「まあ、ちょっと中に入ってみようよ」イズミが言うと2人はお店の中へと入っていった。 ドアを開けるとドアの上のほうについていた鈴がチリリンと音を鳴らした。お店の中はいたってどこにでもありそうなインテリアショップだった。奥にあるレジではとてもきれいな女の人が、いらっしゃいませ、といっておじぎをした。女の人の鼻は少し赤めだった。イズミたちは周りを見た。お店の商品は色々不思議なものがあった。その中でもイズミが一番興味を持ったのは電気スタンドだった。名札には『時間(とき)のランプ』と書いてあった。
「これはどういうのですか?」イズミは店員さんに聞いた。「それは時間がたつにつれて傘の部分の模様が変わるんです」店員さんは優しく答えた。値段はたったの150円だった。イズミはビックリして店員さんに、これは大丈夫なんですか?と聞いてみた。店員さんは、大丈夫だ、と保障した。なのでイズミは電気スタンドを買ってみた。次にナオも商品を買った。ナオはクリスマスツリーの模様が彫られている、銀の懐中時計を買った。お会計が済んだあと、店員さんは質問した。「今願いをかなえて欲しい人は何人いますか?」イズミは指を折って数えた。「えっと・・・12人くらいかな」すると.店員さんは、少々お待ちください、といってお店の奥の部屋へといってしまった。1分ぐらいたつと戻ってきて12個石がついているドリームキャッチャーをイズミに渡した。「これはおまけです」そういうと店員さんは静かにおじぎをした。イズミたちがお店から出ると不思議なお店だね、とナオが言った。「あ!そうだ!ナオこれに願いを叶えて」イズミが言うとナオはドリームキャッチャーを渡されて、それを額につけて目を閉じた。そして数秒後にイズミに戻した。「ねえねえ、何お願いしたの?」イズミがウキウキしながら言う。「んーとねえ、来年もいいことがたくさんありますようにねがったのよ」イズミは、へえ、といってドリームキャッチャーを額につけて目を閉じた。そして目が開くとナオが言った。「そっちも何願ったの?」「東風(こち)ちゃんにまた合えますようにって願ったの」「ふうん。まあまたいつか会えるよ」そして2人は見とを分かれて家に帰った。イズミは家に帰るとお母さんたちにドリームキャッチャーを使わせた。そして夜になってイズミは二階のベランダへといった。ベランダにはいつもキュランがいた。「キュラン。寒くない?」イズミが言うとキュランはイズミのほうに振り向いていった。「うん、ちょっと寒いかな」「じゃあ、はい。これ、あったかいココアと毛布」そう言いながらイズミはキュランに暖かいココアと毛布をあげた。キュランは毛布をかけてココアを飲んでハアと白い息をついて言った。「そういやなんか用があって来たんじゃないのか?」「あ、うん。ほら、今日私がドリームキャッチャーを使ったでしょアレで何、願ったかなぁって」「ああ、あれか。オレは兄さんの目が元に戻って、あんな刺客共から早く逃れますようにって思ってたな」「へえ~・・・・」そしてそれから2人は静かに夜空を見上げていた。 続く