翌日、朝早くドランは一番に起きてベランダに行って上を向いて指を使って口笛を吹いた。ピーーという音が静かな空から町中に響いた。そして数秒後、遠くから小さな黒い点が見えた。次第に大きくなっていき、こうもりのような影がふらふらしながらやって来た。こうもりの背中には自分の十倍はありそうで重そうなリュックを背負っていた。そしてドランの目の前に来ると、まるで飛行機がゆっくりと墜落するようにクルクル回っておちてきた。ドランはそれを、何とかして両手に乗せた。「大丈夫か?キース」ドランが言うとキースと呼ばれたこうもりは小さな首をブンブン振ってこう言った。「あ・・はい。大丈夫です。ちょっとカバンが重くてきつかったですけど・・・・」キースはハアハア息切れしながら言った。「それは、お疲れ様。やっと神野様のお宅を見つけたんだ。これで何とか刺客から逃れられる。」ドランが安心しながら言った。ドランが荷物を運ぶので自分が持つ、といったがキースがもつとうるさいので仕方なくキースに持ってもらって中に入って準備をした。そして朝の七時ごろイズミたちが起きて学校へ行く準備をした。そして朝食を終えてランドセルをしょって、玄関で靴をはいている時、キュランがやって来ていきなり、「イズミさん、オレも学校へいってもいいか?」と言った。イズミは突然のことでビックリしたが言った。「うん、いいと思うよ。あと私の名前は呼び捨てでいいから」イズミがちょっと微笑んでそういうとキュランは嬉しさのあまり跳ねて、「やったー!!」といってキュランたちの泊まっている部屋へと走っていった。そしてすぐ、ドタドタと走って戻ってきた。そのときキュランの背中には黒いランドセルがかかっていた。(準備早いな~・・・・。)とイズミはちょっと苦笑いをして思った。「それじゃあいこうか・・・」イズミがそういうとキュランも靴をはいて、ドアを開けて外に出た。

ドアを開けた瞬間冷たい風がイズミとキュランの顔にあたった。「うわーやっぱ朝は冷えるなあ~」イズミが両手をこすって息でハアーと暖めて言うと、キュランはハクシュン!とくしゃみをした。イズミはすかさずポケットからティッシュを取り出してキュランに渡した。手で鼻を隠しているキュランをみてイズミは笑ってしまった。「な・なんで笑うんだよ・・・」鼻をかみながらキュランが言った。「いや、なんてゆうかキュランのその顔見てると面白くて・・・」イズミがそういって、こらえていた笑いをまた戻して笑った。キュランは顔をちょっと赤くして言った。「そんなにおかしいかな・・・・。」キュランは鼻をかんだあとのティッシュを丸めてポケットに入れた。そしてイズミはハッと何かを思い出してキュランに言った。「そういえば、学校に転校してくるときって、保護者が必要なんじゃない?」イズミがいうとキュランは、「大丈夫。兄さんが後から来るから」そして話している間に学校についた。校門の前には、ドランが待っていた。(は・速い・・・!)イズミはそう思ってまた苦笑いをして手を振った。ドランもにこやかに口だけを上にそらせて、手を振り返した。そしてイズミは先に行くと言って先に教室へと歩いていった。教室に入るといつもより早くナオが席に座っていた。イズミは机にドンとランドセルをのせてハアーといってイスを引いて座った。「今日は早いんだね」イズミがナオに言うとナオはちょっとにやけてこう言った。「だって今日、イズミさあ、知らない男の子と一緒に歩いてたじゃない」イズミは顔を真っ赤にして言った。「ばっ!ち・・・違うよ!あれは・・なんてゆうか・・・ちょっと訳あってウチに泊めてあげてるだけなの!」「ふうん」ナオはわざとらしくにやけて言った。そしてチャイムが鳴って緑川先生が来た。

「今日は、新しい転校生がいます」緑川先生がそういうといっせいにクラス中が騒がしくなった。「入ってきていいですよ」先生が言うと、ドアからキュランが出てきた。そして前に出ると緊張してごもりながら言った。

「えっと・・・キュラン・ヴァイルです・・・。あの・・・よろしくお願いします」キュランの自己紹介が終わると、先生が席を決めたキュランの席はツバサの後ろだった。(へえ~。キュランの前の名前ってヴァイルってゆうんだ。初めて知った)イズミはそう思った。そして早くも放課後・・・

イズミとナオは靴をはいていた。そのときツバサが来た。ツバサが自分の靴入れから靴を取ると、靴の中や靴の下に小さな手紙があった。「またかよ・・・」ツバサは中身を見ず、近くにあったゴミ箱に入れようとしたときイズミたちが止めた。「ちょっとまって!その手紙見せて」イズミがいうとツバサは普通に渡した。イズミたちは手紙を開けて中を見てみた。1つはとても厚かった。イズミは少なめのを読んだ。

青木様へ

私はあなたのことが好きです。大好きです。

どんなに苦しいことがあってもあなたを見ているだけでほっとします。

まだだれがこの手紙をいつ出したかはまだ分からないと思いますが、そのうち分かると

思います。なのでまっててください

Ⅰ.Sより

イズミとナオは一瞬凍りついた。「まさかこれって、全部アンタ宛のラヴレター?」ナオが言うとツバサは、

首を上下に振った。「あららら・・・まあ頑張ってね・・・」イズミはそういった。そしてツバサは先に帰った。

だが途中で立ち止まった。イズミたちは不思議そうに行くと、なんと良くわかわない生物がいた。

全身モジャモジャした毛で覆われていて、緑色だった。外にいた生徒たちはいっせいに叫びながら逃げてきた。「あ~あ。またやんなきゃね。イズミ」ナオが言うと三人はトイレにいって誰もいないと確認して変身した。

そして戦っているとき、キュランが靴を履き替えに来た。キュランは見た瞬間ビックリした。外へ出るとイズミたちが戦っていた。最初は気づかなかったけど、そのうちモンスターを倒してキュランを見つけると、イズミたちはキュランを連れて人目のつかないところへといってもとに戻った。「え!?さっきのイズミたちだったのか?うわースゲ-!流石だな」イズミたちはちょっと照れた。そして解散し、帰った。だが次に訪れる者は、悲しく儚くするものだった。                       続く