イズミは女の子が人間くらいの大きさの二本足で立っているトカゲたちに囲まれているのを見て、大急ぎで走っていった。「おい譲ちゃん。早く、その金をよこしな。早くしねえとお前を食っちまうぞ」とトカゲがいうと、「イヤよ!これはおじいちゃんのおつかいに買うためのお金よ!そう安々と渡せないわ!」と女の子は言い張った。「ッチ。仕方ねえなこうなったら力ずくで奪ってやる!」トカゲはそういって腰につけていた巨大なナイフを持って他のトカゲたちも、一声にナイフを取り出した。そして一声に大きくナイフを振りかざした。「キャアアア!!」
と女の子が叫んだ瞬間、ナイフの動きが止まった。「!?」女の子が前を見ると、トカゲたちの後ろの方に、イズミが立っていた。
「くそう・・・何だお前は・・ガハッ!・・」といって一匹のトカゲが倒れると、他のトカゲも一声にバタバタッと倒れた。女の子はただ呆然としてイズミを見ていた。「大丈夫?怪我はない?」とイズミが言うと女の子は、「あ・・うん。なんとか大丈夫見たい。助けてくれてほんとにありがとう」といった。イズミがいえいえといっていると、女の子は何かに気づいた。「あ!彼方、腕のところから血が出てる!」イズミは気づいて、痛がった。「っく・・さっきあいつらを片付けているあいだに切れちゃったのね」イズミがそういうと女の子は、「あ!そうだ」といって肩にかけていた、ポーチからちょっと大き目のハンカチを出してイズミの傷のあるところに結んであげた。イズミはありがとうというと、「よかったら私の町にこない?歓迎するよ」と言った。「あ・どうもありがとう。あと彼方のお名前は?私は神野イズミって言うんだ」
「へえイズミって言うんだぁ。変わった名前だネ。私の名前はねえ、 
東風(こち)って言うの。年は13歳」「え?13歳!?へえ~じゃあ私の1歳年上だね」「え?そうなんだぁすごいねえ」東風は下がっている二つ結びをしていて、その頭の左側にちょこんと小さい帽子が乗っかっていた。服装は足首から手首・首らへんまである長くて緑色な感じのタイツを着ていて、胸のところしかないチョッキのような袖のながい服で、花びらのようなスカートを履いていた。そして2人は途中でお店に入っていってジュースとリンゴを買って歩いていった。だいぶ2人が歩いていくとと町が見えた。「アレが私の住んでいる町よ」門をくぐっていくとそこは風車だらけの町だった。一件に1つは必ず風車があった。東風が案内して自分の家の前に来ていった。「お客さんがもう1人いてその人、すごい魔法持っているの」イズミは、え?と思って東風と一緒に中へ入っていった。中にはおじいさんがイスに座っていて眠っている。「おじいちゃんおーきーてー!」と大声で東風がおじいさんに声をかけると、「ああ~東風かぁおつかいありがとなぁ~」とのんびりした声で東風からジュースとリンゴをもらった。「おや~?そちらは旅人さんですかぁ?」とおじいさんが言うと東風はおじいさんにさっきあったことを話した。「ほうほう。では彼方様がうちの孫を救ってくださったのですね~」「あ・・はい」とイズミが言うと、「あれ?ツバキさんはどこか行っちゃたの?」と東風が言った。「うむぅ。東風がさっき出たあとにツバキさんがなにやら材料を買うといって出ていったぞぉ?」
そのときチリリンとドアの開く音がした。すると眼鏡をかけた13歳くらいの男の人が入ってきた。男の人の肩には鳥が乗っかっていた。
「ふう。結構かかったなぁ」と男の人が言うと、「お帰り。ツバキさん」と東風とおじいさんが言った。「あ・どうも。あれ?そちらの方は?」「あ・・イズミって言うの。さっき私のことを助けてくれたんだ」と東風が言うと、ツバキと呼ばれた男の人がイズミの怪我に気づいた。「あ!君、怪我してるじゃないか。ちょっと待ってて」とツバキがいうとイズミのところに来て、傷を保護しているハンカチをとって、手を傷口のところに置いた。すると、ツバキの手から光が出てきて、傷口を直した。「うわあ。すごいねツバキさんてこんな力持っているんだ。」とイズミが関心しているとツバキは、「それほどでもないよ」といった。東風が、「そろそろご飯にしよっか」といって台所へと歩いていった。「今日はどんなお料理なんでしょうか楽しみですね」と誰かが言った。イズミはキョロキョロした。すると声の主が分かった。ツバキの肩に乗っている鳥だった。「彼方喋れるの?」とイズミが聞くと鳥は、「もちろん喋れますとも。あ!申し送れましたわたくしの名前はピエールともうします」と答えた。「へえ、なんかラヴィ―ナちゃんみたいだね。あ・そんなこと言われてもわかんないか」とイズミが言うと、「ラヴィ―ナだって?まさかわたくしと同じくらいの大きさでウサギみたいなやつですか?」とピエールが言うと、「うん。知り合いなの?」とイズミが言った。「ラヴィ―ナはわたくしの友達なんです」「へえ~そうなんだあ」と1人と一匹で盛り上がっていると東風が食事を持ってきて皆でいろんな話をして食べた。そして寝る時・・・・・。
「イズミ。」「うん?」「イズミってさあ、何のためにココに来たの?」「えっとねえ・・なんてゆうか・・風のエントランスって知ってるかなあ」「え!?風のエントランスってあの?」「うん。そうなの」
「そういやこのごろ風の調子がよくないもんね」「最初は三人でいったんだけど途中でおおわしに捕まっちゃって・・・・うう・・悲しいな」「・・・そうなんだ。まあ大丈夫だよ。ぜったいにあとの2人に会えるから、あきらめちゃダメだよ」「う・うん。ありがとう」「そうだ!たしか風の聖域があったはずだよ。たしか、風の国にあったような・・」「じゃあ明日そこに行こう。じゃあ今日はもう寝よう。じゃあお休み」
そして二人は眠った。