満員電車に乗っている時
『前の人に”ひざかっくん”したらどうなるんだろう?』と
思う事がままある。
ただ、意図的にそれをすると、最悪の場合【暴行罪】になり得るそうで。
暴行罪、、、つまりチカンと一緒か!?
と、思っていたのだけれど…。
実際にやってみた。
帰りの電車で『バレリーナよっぱらい』に遭遇した。
酩酊したよっぱらいおねえさんが両手でつり革をつかんでふらふらと揺れている。
つり革を軸にくるくると回っている様はバレリーナのようだ。
そのダイナミックなアクションに、周りは若干引き気味で見ている。
程よく混んだ車中。
シートに座っている人や、お隣に立っている人が『こっちにくるのかな?(むしろ来ないでくれ)』等と見守る中。
何駅か過ぎる内に彼女が私の隣にやって来た。
酩酊の園の中で、つり革を雲梯の様に渡って来たのだ。
実際、私も見守っていた一人なので、少し困った。
彼女は完全に足に来ていて、電車のゆれにも常にグラグラと揺れている。
貞子の様になった髪がまとわりついて来たり、サンダル素足の私の足を踏んで来たり(痛い)。
なんだこのよっぱらいめ。
正直辟易した頃、先の『ひざかっくん』を思い出した。
渡りに船。電車にチカン。
いや、私はチカンではないけれど。
彼女は相変わらずつり革をしっかり掴んでいるから、膝が抜けても倒れる事はないだろう、と予想して膝を合わせる。
ひざかっくんする方は、される側よりも、スネが長くなければ膝裏には当たらない。
繰り出した膝の分だけ、膝の地面からの距離が近くなる。
上手く当てないと相手のふくらはぎにヒットしてしまう。
幸い、この日の私は11cmヒールだった。
相手よりも膝下のリーチが稼げる。
だけど絶えず揺れている人の両膝を抜く事は難しい。
そこで片膝のみ抜く事にする。
目的は『刺激によって目を覚まさせる』もしくは『可愛らしい仕返し』。
少々刺激を与える事ができれば良いのだ。
私が試行錯誤している間に、彼女はまた夢見心地に突入。
つり革に捕まって大きく船を漕いでいる。
『今だ!!』
膝を繰り出すも、彼女は気づかない。
酩酊の園にいる酔っぱらいは片足の『ひざかっくん』にはびくともしない。
ああ、早く『ひざかっくん』を成功させないと。
もうすぐ乗換駅についてしまう。
先の失敗をふまえて、体重の乗っている軸足を狙って抜く事にする。
膝裏を合わせて、次の電車の揺れに備える。
電車の揺れに合わせて、膝を繰り出す。
ヒットした瞬間、つり革を掴んだまま膝が抜ける彼女。
ギシリ、とつり革が軋む音がする。
意識を取り戻し、何事もなかった顔で彼女はつり革をつかむ。
よし!。
やり遂げた気持ちで、急行から各駅への乗換駅で下車する私。
何となく、チカンして慌てて電車を変える変態のようだわ、と。
反省しつつ到着した各駅停車に乗り込んだ。
『前の人に”ひざかっくん”したらどうなるんだろう?』と
思う事がままある。
ただ、意図的にそれをすると、最悪の場合【暴行罪】になり得るそうで。
暴行罪、、、つまりチカンと一緒か!?
と、思っていたのだけれど…。
実際にやってみた。
帰りの電車で『バレリーナよっぱらい』に遭遇した。
酩酊したよっぱらいおねえさんが両手でつり革をつかんでふらふらと揺れている。
つり革を軸にくるくると回っている様はバレリーナのようだ。
そのダイナミックなアクションに、周りは若干引き気味で見ている。
程よく混んだ車中。
シートに座っている人や、お隣に立っている人が『こっちにくるのかな?(むしろ来ないでくれ)』等と見守る中。
何駅か過ぎる内に彼女が私の隣にやって来た。
酩酊の園の中で、つり革を雲梯の様に渡って来たのだ。
実際、私も見守っていた一人なので、少し困った。
彼女は完全に足に来ていて、電車のゆれにも常にグラグラと揺れている。
貞子の様になった髪がまとわりついて来たり、サンダル素足の私の足を踏んで来たり
なんだこのよっぱらいめ。
正直辟易した頃、先の『ひざかっくん』を思い出した。
渡りに船。電車にチカン。
いや、私はチカンではないけれど。
彼女は相変わらずつり革をしっかり掴んでいるから、膝が抜けても倒れる事はないだ
ひざかっくんする方は、される側よりも、スネが長くなければ膝裏には当たらない。
繰り出した膝の分だけ、膝の地面からの距離が近くなる。
上手く当てないと相手のふくらはぎにヒットしてしまう。
幸い、この日の私は11cmヒールだった。
相手よりも膝下のリーチが稼げる。
だけど絶えず揺れている人の両膝を抜く事は難しい。
そこで片膝のみ抜く事にする。
目的は『刺激によって目を覚まさせる』もしくは『可愛らしい仕返し』。
少々刺激を与える事ができれば良いのだ。
私が試行錯誤している間に、彼女はまた夢見心地に突入。
つり革に捕まって大きく船を漕いでいる。
『今だ!!』
膝を繰り出すも、彼女は気づかない。
酩酊の園にいる酔っぱらいは片足の『ひざかっくん』にはびくともしない。
ああ、早く『ひざかっくん』を成功させないと。
もうすぐ乗換駅についてしまう。
先の失敗をふまえて、体重の乗っている軸足を狙って抜く事にする。
膝裏を合わせて、次の電車の揺れに備える。
電車の揺れに合わせて、膝を繰り出す。
ヒットした瞬間、つり革を掴んだまま膝が抜ける彼女。
ギシリ、とつり革が軋む音がする。
意識を取り戻し、何事もなかった顔で彼女はつり革をつかむ。
よし!。
やり遂げた気持ちで、急行から各駅への乗換駅で下車する私。
何となく、チカンして慌てて電車を変える変態のようだわ、と。
反省しつつ到着した各駅停車に乗り込んだ。