パンと同じ厚みにして、バターを食べたい。
最高の贅沢だと思う。
だけど、ウチのパンは『6枚スライス』。
最近は、お皿目当てに『ダブルソフト』を買っている。

『パンと同じ厚みにして、バターを食べたい。』
この欲望はバディに打撃だ。
体脂肪に過剰な動物性脂肪を与える事は無い。

そんなわけで、クラッカーに変更した。
『クラッカーと同じ厚みにして、バターを食べる。』


野望達成のため選ばれたのは『カルピスバター』。
【フランス料理店の名匠から、『幻のバター』と云わしめた、極上品。】

スーパーで、高級バターの位置に鎮座している。
市販のバターの2倍くらいあるサイズ。
持つと、手にずしり、と重さがかかる。
パッケージも洒落ている。
シールを切り取り、上蓋をオープン。
中には、金の包み紙に守られたカルピスバターが入っている。

私は、乳臭いバターが好きだ。
だから、発酵バターなんて最高。
ただし、香りが高い、ということは『クセ』も強い。

ところが、この『カルピスバター』は違う。

あの、薄黄色のぽってりとしたゲル状の固まり。
テカテカと光るバターをたっぷりとクラッカーに盛る。
するりと、伸びる黄色みを帯びた乳白色。
部屋の光をきらりと跳ね返す。
まるで、良く練った油絵の具の様。
扱いも、とても素直だ。

まずは一口。
発酵バターの風味を想像していた私は、驚いた。

以外に、さわやかな口当たり。
口内の温度で優しくとろける、乳脂肪分。
鼻から抜ける乳の香りが、最高。

何より油分に、イヤなエグミがない。

飲み込むと、とろけたバターが体中から手足の先まで浸透してゆく感じ。
体温でさらりと溶けるので、口の中に油っぽさは残らない。
あっさりしたものだ。

今回は、このバターに、はちみつを垂らして頂く。

サンクゼール・ワイナリーの『オレンジはちみつ』との相性も最高。
(はちみつ賛美はまた次回。)


バターの塩分と、はちみつの甘さが最高。
素晴らしい、カルピスバター。
考えた人は天才だと思う。