いま世界柔道の真っ最中で、なんとなくフジテレビを見てしまうとそのまま1時過ぎまでテレビの前から動けなくなったりしてしまうのだが、世界柔道を見ていて気になる点が一つ。
柔道は学校柔道に毛が生えたぐらいしかやったことがないのだが、総合格闘技を少々かじった経験からすると、どうも外国の選手は、アマレス出身かコーチがアマレスの人としか思えない動きが多い。朽ち木倒しや諸手刈り・肩車・すくい投げといったアマレスと重なる技を、主力にしているというか、ほとんどそればっかり使ってくる選手がいる。決勝で敗れた内柴の相手も、朽ち木倒しでポイントを取ってすくい投げで一本という、どこからどう見てもアマレス出身の選手だったし。世界柔道を見た限りでは、支那とフランスにはそういう人が少ないかも知れない。
アマレスのタックルに対しては、腰を引いて相手に足を取らせないようにし(これを「タックルを切る」と言う)、そのまま相手に体重をあずける感じでつぶす(「ガブる」という)のが基本なので、必然的に構えも腰を引いて姿勢を低くする形になる。両者が腰を引いて頭を付けたまま膠着するパターンというのは、だいたいどちらかがアマレス出身の場合と思って間違いないだろう。逆にアップライトというか、上体を起こした姿勢のまま襟や袖を取り合うのは、純粋な柔道同士の戦いなんだと思う。
勿論柔道の技として認められているのだからそれもアリなのかもしれないが、それじゃあ柔道がレスリングと独立している意味がないんでないかい? とか思ってしまう。そこで「上肢を使っての腰より下への攻撃を禁止」した、柔道グレコローマンみたいなのを策定するわけにはいかんのだろうか。