最近、と言っても十数年前からの風潮だと思うが、「フリーマーケット」なる催しをしばしば目にするようになった。持っているがらくたや新古品などをめいめいが持ち寄って売り買いする、少し古い言葉で言えば「蚤の市」である。ちなみに「蚤の市」の語源はフランス語の「marche aux puces(直訳すれば「蚤の店」か)」だそうで。蚤の市という言葉を使わなくなったのは、蚤が身近な生き物ではなくなったからか、あるいは古着などを売るのに「蚤」という虫の印象が良くないからか。ともかく最近フリーマーケットと言うようになった。

 さて、このフリーマーケット、近頃では「フリマ」とも略されるが、英語の綴りは「FLEA market」である。まさしく「蚤(Flea)の市」の英訳なのだが、「フリー」の音に引きずられてか、「FREE market」と綴っている輩が多すぎる。綴りを間違えた負け惜しみなのか、フリーマーケット関係の団体が「誰にでも気軽に参加して欲しいという意思」とやらでFREEなのだと主張しているが、元々気軽に参加できるから蚤の市なんだよw 

 何故わざわざ「自由なMarket」などと言い換えて、外国人に通用しない和製英語をこしらえて得々としているのだろう。まあ某団体などは、法人登録してドメインまで取ってちゃ、今更「実はFLEAでしたごめんなさい」などと今更言い出せなかろうけども。「Free Market」だったら、出店料無料か、商品が無料という意味にでもなるだろうに、どちらも無料なわけでもないらしい。「金を出せば誰でも出店できる」が「自由」だというなら、駅の空きスペースや催事場などの一日契約の露天商や、祭に出てくるテキ屋なんかもフリーマーケットなのだろうか。

 それにしても驚いたね。グーグルで「フリーマーケット free」で検索すると24000件。「フリーマーケット flea」で検索すると、5330件。日本人の英語コンプレックスを窘めようとは思わないが、せめて正しい英語を使いたいものである。まして団体名や法人名の英語訳を定める機会があるならば、見識あるネイティブにお願いしようと思っている。