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213 名前:マンセー名無しさん 投稿日:2005/05/13(金) 02:03:17 ID:pClVS8Vp
そういえば、昨夜のニース23から山拓が首相特別補佐官として中国に行ってこういったそうだ。
日本の外交基本方針は、1)アメリカとの同盟、2)国連中心主義、3)アジアにおいては日中友好。
もし、中国が日本の常任理事国入りを阻止した場合、日本の国連中心主義は崩壊し1と3が残る。
この場合、日米は同盟関係であり友好より優先する、日米関係はもっと強固になるが、中国はそれでも良いのか。
これに対し、トウカセン副首相は靖国問題に関し、第三の道を探りましょうと言ったらしい。
--引用終--


 生憎とここのところ仕事が遅くまで続く日が多く、昨日はたまたま早く帰ったのだが寝てしまった。よって上記の話(2ちゃんハングル板の書き込み)は本当かどうかの確証が取れないのだが、ソース主義のハングル板の、それも飯嶋大統領研究スレにあったものであるから、趣旨としては間違っていないものという前提に論を進める。(この引用がガセだったなら、話の前提が崩れるので、このエントリは削除し、崩れなかった部分を前提に書き直します。)


 アジアアフリカ会議で小泉総理が「植民地支配」についてアジアにお詫びしたと聞いたときには、さすがに真意(というより正気)を疑った。支那の“反日デモ”が暴動化しつつある時期に、自ら助け船を出すようでは、従前の「土下座外交」路線と変わりないではないか。
 勿論、支那の国家主義が脅威かつ不愉快であるからと言って、支那に内乱が生じ、あるいは国内に混乱を来すような状況が出来すれば、支那経済・支那市場を既に計算に組み込んでいる日米の経済界が困ることは想像に難くない。積極的に支那に進出している企業はまあカントリーリスクへの自己責任としか言い様がないが、それでも支那の労働力や市場を前提とした経済というのは、いくら嫌中であろうと否定し得ない。政治家としてはそれを庇護するのもひとつの責務であろう。
 尤も、だからといって「魂を売る」ような態度が認められるわけでは断じてない。それに、ああいった状況下で日本が謝罪して、挙げた拳の下ろし場所を作ってやれば、支那政府にひとつ貸しができるのだから、ちょっとぐらい暴動が大きくなって、痛い目を見せてから、うんと恩を着せれば良いのではないかと思えた。それに加えて、あの謝罪は白人へのポーズのようにも思えた。実際、小泉総理の謝罪は欧米では「評価」され、支那の理不尽な反日を論難する風向きになった。敢えて自虐的・偽悪的に言えば「地球は白人の物」であるから、支那に対する圧力として欧米先進諸国を利用したとするなら、事態打開の現実的・効果的な策ではあるのだろう。が、それには些か不甲斐なさと失望感を禁じ得ない。そう漠然と思っていた。


 だがここに来て、支那浙江省での大規模な“革命”暴動があったという報道が文藝春秋によってなされた。いや、四月一三日付の各新聞に「4万人暴動云々」という記事があったようなので、厳密には「ここに来て」ではない。だが当時の紙面は「二人死亡」との報道で、対日デモの陰に隠れて続報はあまりなかった。ところが先日発売された文藝春秋には百名を超える死者がでたとあり、本当だとしたらこれは天安門級の事件ではないか。
 斯様な情報をもしつかんでいたとしたら、4月中旬のあの時期に日本が謝罪をして事を沈静化させることは、ひとつの大きなカードであったはずだ。なぜなら、日本が何らかの謝罪をしない限り、支那共産党はそのエトスから察するに、絶対に反日デモを沈静化させるはずがないし、「日本の反省」も勝ち取れずに勝手に沈静化されては面子が立たない。かといって反日デモを容認したのでは4万人5万人という「反政府デモ」への鎮圧の理屈が通らない。支那の反政府デモも、戦後日本が赤かった頃と同様に、その大多数は学生による工作である。学生は反日デモに混じってそれを反政府デモに転化させるような工作もするだろう。だからこそ反日デモには、仕込みの当局関係者が含まれていたわけだ。
 要するに支那政府は、反日デモを鎮めるために何としても日本に謝罪してもらわねば困るという、我々が一部マスコミから聞かされているよりもずっと逼迫状況だった。折しも西村幸祐氏が「あらゆる意味で完璧なコメント」と評したこのコメント が発表されたのは、ちょうどこの浙江省暴動直後の15日夜である。


--引用--
首相、中国の反日デモ「暴徒化せず整然と」
 小泉純一郎首相は15日夜、今週末に中国で反日デモが懸念されていることについて「暴徒化しないように整然と(やらないといけない)。これは決して悪いことではない」と表明した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
--引用--


 もし支那で当時起きていた事態を承知した上で言ったコメントなら、その頼もしい“政治的悪意”に鳥肌さえ立つ。知らずに言ってのけたのなら神(2ちゃんで言うところの)だろう。社会に不満があれば「暴徒化しないよう整然と」デモをすべきで、それは「決して悪いことではない」のだと、ついさっき暴徒化したデモ隊を百人あまり殺した支那政府に言ってのけたわけだ。
 で、その後どういう経緯でか、小泉総理はアジアアフリカ会議で一見場違いな「謝罪」をし、機を得た支那は反日暴動を中止させ、五・四デモまで封じ込めた。山山崎補佐官の言うことが正しければ、常任理事国問題や靖国問題で支那側の譲歩が見られることになるかもしれない。こうした流れを考えれば、教科書や尖閣問題で火を付けたつもりの支那は、飛んだ向かい風にあって自宅を焼きかねたという感がある。


 上記のストーリーは日本の外交を、あるいは小泉政権を贔屓目で見たこじつけであるという批判はあるだろうし、その可能性は否定しない。だがもし、一連の流れが冒頭の“山択外交”の成果(常任理事国入りや靖国参拝への妥協)につながっているのだとすれば、支那の干渉を利用して日本は靖国問題までも無効化したことになる。
 個人的には常任理事国に加えて靖国問題まで支那が手放すとは思えないから、手放しで喜んではいないが、デモ鎮圧の助け船の代償として支那を何らかの妥協に導いたぐらいのことはあるのではないかと思う。そしてその表面上の功績を盟友である山崎択に与えたのだというなら、森総理ではないが「純ちゃんもああ見えて相当えげつない」と思うのである。


〔追記〕(2005/05/13 18:30)

 本文に書き忘れていたが、果たして上記のようなシナリオがあったのだとしたら、今年も靖国参拝があるはずである。(8月15日に参拝するかはともかくとしても。)今年は戦後60年。還暦という節目の年だ。参拝する機にはなっても、それを妨げる理由にはなるまい。今年参拝しないのだとしたらそれは支韓らへの“配慮”というやつであり、やはりただの土下座外交復活という色合いが濃くなる。

 小泉が策士なのかヘタレなのか、今年の夏は熱く見守りたいところである。