弊社のカラオケの得意技は「銀河鉄道999」(ささきいさおのほう)と「仮面ライダーBLACK」なわけです。特に後者は絶対の自信がありまして、「ネタとしてのBLACKのカラオケ」を知らず、しかもBLACKを見ていたという世代なら、まず間違いなく笑わせます。マジで。
 ていうか、ちょっと音程を外しながら、むかし秋葉原の日本通運前あたりで「えっぉあ~(いかがすか)」と言いながらビラを配っていたオヤジの口調で歌う(わかりにくい人は、全ての子音を微かに発音し、母音を喉の奥から発する・「お」に近づけて発音すると思ってくれれば概ねあってます)、途中の「ジャスティス!」だけはっきり発音する、そして最も重要な点として「仮面ライダーBLACK」を「かっめーん ラーイダー カーッ!」とシャウトする、というものなのだが、さらにそれを完璧にするために仮面ライダーBLACKのボーカルアルバムを購入してみた。

 久々(10年以上ぶり)に聞き返してみたが、倉田てつをが予想以上に音痴でのけぞる。想い出は綺麗に残るものなのですね。さすがに「いかがすかオヤジ」の真似はやりすぎだとうことがわかったが、強ちそのように聞こえなくもないあたりがすごいと思った。舌を下の歯茎に付けっぱなしで歌うと丁度いいかもしれない。

 さらには「仮面ライダーBLACKアルバムバージョン」なるリミックスが入っていたので聴いてみる。イントロが一緒なあたりでリミックスではなくリテイクだということに気づいたわけだが、オリジナルにあったデジタル処理(エコーっぽいの)がなくなっていて、倉田てつをの生ボイスがより鮮明に。

 リテイクなのに下手になってどうする。

 さすがに当時から各位でネタにされていたのか、「かっめーん ラーイダー カーッ!」では無くなっていたものの(「かっめーん ラーイダー バーク!」ですた。)、なんつうか、どこぞの漫研がカラオケハウスで歌っているかのような歌。まだオリジナルのほうが心がこもってる感じで良かった気がする。音程もリズムも微妙に外れており、平成のご時世にデジタル処理を施さず生の魅力で迫るあたりに豪快さを感じた。アルバムバージョンの真似をマスターしても誰にも理解されないのが悲しいところだが。

 もしBLACKのカラオケ愛好会というのがあったら、完璧にマスターしたアルバムバージョンで魅了させたい次第である。でもそんな愛好会は厭だなと思った。