結論から申し上げれば、金王朝は少なくとも北京オリンピックまでは崩壊しないと見る。以下、米軍が金王朝への武力制裁に踏み込めない理由。
・在韓米軍の撤退が済んでいない。現状で第二次朝鮮戦争が勃発した場合、在日米軍はともかく、少なくとも在韓米軍およびその家族が戦火に巻き込まれることは免れない。米議会は韓国内の反米感情に辟易しており、朝鮮のために米兵およびその家族の生命が脅かされることに消極的な判断をする見通しがある。
・イラクよりは占領統治はうまくいくだろうが、イラクでは2年経っても平定できていない。支那の後ろ盾がない以上、共産ゲリラの勦討戦にさほど時間は掛からないと思われるものの、強固に抵抗された場合に時間を要する虞がある。
・仮に今年度中に平定したとしても、朝鮮半島北部地域が即時無条件に韓国に同化するとは考えにくい。「自動販売機で物が買えない」というほど資本主義化されていない北部地域住民が、いきなり“解放”されればどうなるか。ソウルは国境から40キロあまりの位置にあり、歩いて一日である。三千万の浮浪者・準浮浪者が、「豊かな」ソウルその他の都市に殺到するのは必定だ。
・日本は立場的・歴史的・地政学的に「統一祝い金」を出さねばならないのだろうが、そんなもので60年の荒廃がなんとかなるわけもなく。朝鮮半島北部地域がマトモになるまで、恐らく短期的には5年、本格的には30年ほどかかると予想される。世界第三位の経済力を持つ西ドイツと、東欧では「優等生」だった東ドイツが統一されたときですら、統一ドイツは相当苦しんだ。東京都程度の国家予算の韓国と、世界有数の貧国である朝鮮半島北部地域が統合して、統一朝鮮は何年でこれを克服できるのやら。
・支那にとって「アメリカの同盟国」と広範囲な国境を共有することは許容しがたいものと思われる。
・上記の理由により、現国境は暫定的に封鎖を継続されることになるであろう。あるいは連邦制になることも予想される。むしろ封鎖しなかったらバカである。どうなっても知らんぞ。ていうかノービザ来日でその手の奴らを押しつけようとか考えてんじゃねえぞコラ。
・その結果、“脱北”は減らず、金王朝が崩壊しているので脱北者は今より低いリスクで脱北できる(死刑や山送りでなくなる)ため、むしろ増加する可能性が高い。
・“脱北”は国境線の広い支那経由となるものと予想される。
・支那政府は朝鮮人がこれ以上旧満州地域に増加することを望んでいない。少なくともオリンピックまでは。そして恐らくそれ以降も。
・上記理由から支那が安保理決議に於ける強行な反対が予想される。

 では、金王朝が自壊する可能性はあるかというと、日本が経済制裁を行っても韓国と支那の援助によって延命されるため、当面はあり得ないだろう(可能性がないわけではないが)。韓国は延命することで、
1.三千万の浮浪者を当面背負わなくて済む。
2.上手くすれば統一したときに核保有国になれる。
3.うまくすれば日本から(北のぶんの)戦後賠償を取れる。
 という利点がある。デメリットは、金正日に朝貢せねばならないことと、同じ朝鮮民族の被圧政者がどんどん犠牲となることの二点だが、韓国政府はおそらく後者に何の痛痒も感じていない
 韓国政府は、ともすれば金王朝と融和を計ることで、日朝戦争で金王朝を崩壊させたい腹づもりなのかも知れないが、日本が被害を受けることはアメリカも含む全世界に影響を及ぼすことになるため、韓国を恫喝してでもアメリカはそれを許すまい。

金王朝 延命
韓  国 延命
日  本 どっちでも(どちらかと言えば延命?)
米  国 核拡散さえなければどっちでも
支  那 延命
露西亜 どうでもいい

 ということになり、このままでは六ヶ国協議では延命という結論しか出なかろう。むしろ米朝二ヶ国協議のほうが「各開発を続けたい金正日」と「核拡散を許せないアメリカ」の間で抜き差しならぬ事態になりかねないのではないだろうか。アメリカは何しろ核問題を解決したいので、金王朝が核を持つなら日韓の核武装も検討してもらわねば、的発言をして支那を牽制している。当然支那は日韓に核武装などされてはたまらないから、金王朝を強く締め付けるだろう。一方、金王朝は核を捨ててしまうとただの最貧国なので、そこはマジノ線(韓国語に於ける意味)という奴である。
 アメリカとしては「一戦辞さず」の姿勢を見せたいだろうし、そのためには日韓の脇も固めたいのだろうが、日本が着々と「戦争のできる国」になろうとしているのに対して、韓国の見事なまでの籠絡されっぷり。金王朝は相当な宣伝工作をしているのではないだろうか。脱北者=使えない人というのも、金王朝の宣伝工作員だったりしてな。だから崩壊すると困りますよ、と当局に思わせるための。
 アジア歴訪中のライス女史が韓国を発つとき、見送りの女学生に「Keep studying international relationship.」と言ったとか。これは、日本の“軍国主義化”だなどと喚く韓国政府や輿論への苛立ちではないかと弊社は踏んでいるのだがどうだろう。

 次回、金王朝自壊(意図せぬ洒落)の可能性について記します。