元ネタは朝日の話だが、ジャンルは国語です。Wowwow 氏のblogコメントに長々と書いてしまったが、こちらのblogでも表明しておく必要があると思われるので、同じ内容のことを記しておく。

 去年から朝日新聞では「胡錦涛(フーチンタオ)」という書き方をしており、実に腹立たしく思っていた。相互主義を拝して隷従したがる朝日にではなく、我が国のくだらない人権状況に、である。

 李承晩はリショウバンだし、朴正熙はボクセイキであるのに、なぜ金大中あたりからキムデジュンになって、盧武鉉をロブゲンと書く者がいないのか。それは、崔昌華という在日韓国人NHKに対して「サイショウカ」と発音するのは人権侵害だ、と1円訴訟を起こしたからである。訴訟そのものは原告敗訴で終わったのだが、最高裁は「自分が呼ばれたいように名前を呼ばれる権利は人格権である」とした 。まあ、判決を援用するなら、弊社のように「固有名詞は基本的に現地読みで良い」と考えるなら使用して良いことになるのだが、マスコミは配慮してそれ以降朝鮮人の氏名は朝鮮読みするようになった。

 然るに、なぜ支那人の名前は音読みするかというと、相互主義の問題なのである。韓国朝鮮は公的には漢字を廃したため、小泉と書いてもわからないし、新聞等でも小泉とは書かない。だから表音文字のハングルでこれを記す。その結果、コイズミに近い「コイジュミ」という発音・表記ことになる。だから日本側も相互主義でノムヒョンやキムジョンイルという呼び方をする。賛同するかは別として、一貫性はある。
 一方支那は、漢字で小泉と記すことができる。支那語には仮名に相当するものはピンインぐらいしかないから、発音もそのまま支那語で「シャオチュアーン」と読まれる。だからこちらも相互主義で胡錦涛(コキントウ)と読む。これも一貫性である。
 世界ではどうかといえば、一般的には自国読みであって、バッハは英語では「バーク」だし、イタリア語でコロンボ・スペインゴではコロンのはずのコロンブスは「コロンバス」に近い音で発音される。日本語を読める者同士で読み方を共有できれば良いと考えるので、弊社は基本的に自国読みで記します。裴勇俊はハイ・ユウシュンで、李承燁はリ・ショウヨウ
 ちなみに、同じ漢字文化圏であるベトナムのホーチミンを胡志明と書かれたら、さすがにコ・シメイと読むよりない。グエンは阮と記すが、これもゲンだろう。ベトナムの多数民族の名は漢字で表せることが多いそうだが、中越戦争などのせいか、赤化したためにベトナム文字の普及が強制されたのか、あまり漢字で名乗る人を見ない。まあ、ローマ字で表記しているならば現地読みもやむなしか。同様に韓国サッカー選手の車ドゥリなども、漢字で書きようがないから片仮名表記するよりあるまい。
 朝鮮語には日本統治時代に輸入された日本式の漢語がそのまま朝鮮読みされて定着していたが、金王朝ではそれすら解体し、たとえば読書なら「かいたものをよむこと」というような言い換えまでしているらしい。韓国も最近敵性言語(笑)である日本語由来の用語を改めようとしているそうだ。さらに金王朝では漢字を完全に廃して名前や地名すらハングル表記しているというが、それなら支那風の名前も改めてはどうなんだろうね。

 ところで人格権である。自分の名前を正しく呼ばれるのが人格権であるというなら、支那人の名を音読みするのも、逆に日本人の名が支那読みされるのも人格権侵害であるはずである。ていうかそんなもんで人格権侵害とか騒いでるのはニダーさん達だけのような気もするのだが。朝日は人権に配慮しますというなら、提携している人民日報も日本人の名にピンインで日本語読みの振り仮名をつけているのかね。やっぱり支那様には頭が上がりませんか。それとも日本人への人格権侵害はどうでもいいんですか?(ちゃんと振り仮名つけてたらごめんなさい。一発目なので誤射って事で。)
 それから李登輝氏が日本でリートンホイなどと呼ばれたがっているという話を聞いたことはないのだが、これに「リートンホイ」と振り仮名をつけるのは人格権の侵害にはならんのかね。金美齢氏が朝日新聞にでたときにどのような振り仮名を振るか、今から楽しみではある。「ジン・メイリン」なんて仮名降ったら、金さんきっと怒るぞ。

 それから弊者の雅号だが、これは文車妖妃から取っているので「ふぐるま」なのだが、ブンシャドウと有職読みしてくれても「人格権の侵害ニダ」などとは申しません。朝鮮語で何と読むか存じませんが。

〔追記〕2005/03/21 18:00
 読売新聞のフォーラムである大手小町にこんなトピック があった。何でも上記の訴訟に絡み、マスコミに向けて韓国政府の要請に基づく外務省からの「お願い」だかがあったらしい。中華人民共和国を支那と呼ぶのと同様、このような外務省による圧力に何故マスコミは普段の反体制根性を見せないのだろう。