彼とはじめて会ったのは 彼の内定式後の懇親会だった。
ワタシは入社2年目の若手社員代表(持ち回り)として 参加した。
内定のでた学生さんは 事務系技術系あわせて30人以上。
参加した社員は4人。
都内のホテルの最上階の立食パーティーだったが、当然全員と話せるわけがなく。
しかも われわれ社員にとって 人事部にアピールできる絶好のチャンス。
学生さんばかりと話しているわけには いかない。
そんななかで 彼に会った。
見た目がめっちゃ好みだった。超ビンゴ。動物っぽい印象的な二重の目が特に好きだった。
いわゆるすらりとした長身ではない、重心の低い日本人体型も好きだった。バイク乗りに多い体型。
それでも 年下には基本的に興味がないので あまり気にしていなかったが
きっかけは忘れた。たまたまハナシをした。なんと同い年だった。
ワタシの学生時代と同じにおいがした。田舎の国立大学、自転車で日本一周。もうそれだけで十分だった。
彼のことが 好きになった。
そんなこんなで 2年前 現場に配属になった。
彼がいた。
駐車場に 昔付き合っていたひとと同じ車が止まっていた。古い、わかる人にはマニアな車。それが彼だった。
意識し始めたのは そこからだった。
彼とは一緒に飲みに行く機会は 多くもなく 少なくもなく といった感じだったが
酔った席で何度か 「未華さんとは一緒に飲む機会が少ないです。飲みに行きましょう」と カワイイことを言った。
新人さんの歓迎会メインの 若手異動メンバーの送別会の2次会で 席が隣になった。
1次会のあとにも 「異動前に一緒に飲みに行きましょう」と言っていた。
2次会には6人、ひとりは爆睡、3対2になったとき 彼とたくさん話をした。
話していて やっぱり好きだなって 思った。
彼の恋愛観、結婚観、人生に対する姿勢。仕事の価値観、人生の価値観、他人と自分の価値。
彼の話す理想の家庭像は うちの夫婦そのままだった。
何を話したか ひとことでいうと それは「しあわせ」をそのまま会話にしたようなものだった。
しあわせ そのものについて 話している そんな感じがずっとしていた。つまりワタシは幸せだったんだろう。
彼が話す理想が あまりにもうちの夫婦と似ているので
もしかしてこのひとワタシのこと好きなんじゃないかって思ったくらいだった。
おそらく 彼のなかには 他の想っている人がいるんだろう。そうでなければ 明日にでも告られるだろう。
うちのダンナ以外にも こんなこと思ってるひとがいるなんて 思ってもいなかった。
うちのダンナは 結婚してから環境の変化とともに変わっていったけれど
結婚もしていないのに おそらく他人と長く一緒に暮らしたことがない彼が 同じことを思っているのは意外だった。
うちに隠しカメラでもあるんじゃないか って 疑ったくらい 彼の話す家庭像は 我が家そのままだった。
ワタシには いい男友達がいる。
その男友達はワタシを全面的に許しているし 私もその男友達を裏切ることはないと誓える。
彼と いい友達に なりたい。心からそう思った。
もっと 違う形で合えたらよかったのに って 思っている。
そんな彼を毎日鑑賞できるのも 明日が最後。
縁があれば また会えるんだけどね。彼とはどうなんだろう。