小次郎 ボクシングチャンピオンへの道

小次郎 ボクシングチャンピオンへの道

フルコンタクト空手で日本一を目指してたけど叶わなかったんで高校からボクシングでチャンピオンを目指す物語


ボクシング全日本選手権予選
岩手県新人大会、in奥州市水沢体育館。

去年のデビューから丸1年
また無事この日を迎えられそう
と思いきや、大会1週間前

2ヶ月で6kgの減量、ライト級規定体重59.9kgまで、
残り500gを切った日の夜。

「なんか熱っぽくて喉痛い」

空手の時から、大会2週間前に必ずオーバーワークで体調を崩して風邪気味になるのが常だったが
今回は8日前になっても変化なく、ひたすら毎日ヘロヘロになるまで練習を続ける息子に多少の不安を感じていた。

コンディションを崩した時に一番大変なのは、
減量をトレーニングありきで計算して食事を作る為、
制限している食事を更に控え
体調不良の状態でも長風呂で落とさなければならないことだ。

嫌な予感は的中。
大会1週間前に、全身のダルさと熱と喉の痛み。
絶対に風邪ではなく、オーバーワークから来る疲労蓄積だと確信していたが、インフルも流行り始めてるし不安だらけだった。

さぁてどうしたもんか。

長引けば練習も出来ず体重も落ちず、治らなければ最悪出場自体が危うい状況になるかもしれない。
それでなくとも2週間前まではパンチの打ちすぎで拳と手首を痛めていて、それがやっと良くなって来ていた矢先の事だったので、落胆プラス正直迷った。

全てはわたしの選択判断に掛かっていた。

普段は部活から帰ったら20時30分まで家練習、
大会前になると、家練後に長風呂して更に落とすのがルーティーン。

スケジュールは
10月31日(金)~11月2日(日)までの3日間で3試合なので、30日(木)開会式から宿泊予定だった。
ということは、最低でも家にいる29日(水)夜までには体調をある程度戻さなければならない。
もし風邪なんか引いてたら他の選手にも迷惑掛けるしね。

30日(木)は泊まりだけど会場入りするだけだから最悪練習も休ませてもらうとして、30日発表のトーナメントも組み合わせ次第で(土)(日)だけの2試合になれば、
(木)(金)もあわよくば体調戻しに使えるかもと。

じゃあわたしがやるべき事は、
29日(水)まで感染症に発展させないこと、
体重をせめて60.2kgまでは落とすこと
そして何より休ませること。

まず、土日は学園祭だったけど部活はありだったんで、
その2日間は思いきって家練習を無しにした。
(月)は学園祭の代休だったから、家練習と長風呂で落とした。
体重、この時点で60.5kg

基本食事のラスト2週間は
朝抜き、昼カロリーメイト、夜は炭水化物抜き。
普段食事はわたしが管理してるので、今回は体調不良にあった専用メニュー、いわゆる体を温める食事中心、
薬も息子に合ういつもの組み合わせで。

家で息子を管理できるのも(火)(水)の残り2日。

すると、(火)の夕方小次郎から電話があり、
体調酷いから今日は部活休んで帰っていいか聞かれたんで、そのまま帰宅させて体温める程度に風呂入れて、さっと食べさせて直ぐ寝せた。

(水)は学校に連絡入れて休ませて、一日中寝かせた。
食欲もないと言っていたが、この日だけは肉とご飯を無理矢理たっぷり食わせた。

すると、2日休んだのもあって顔色が大分良くなり、
と言っても、あくまでも生活出来る程度にだが。

翌日30日(木)、会場入りと宿泊に入る朝。
体重は予定通り60.2kg。
体調は、まだ動けるまでに回復していなかったが、
感染症は免れたのだった。

幸い、トーナメントも土日2試合のみとなり、
会場入りしても、2日は休める状況になった。
毎日メールして安否確認

(木)(金)と会場練習したが呼吸が上手くいかなくてスタミナの消耗も激しいと言っていた。
先ずは無理せずに、(土)の初戦も、
KOを無理に狙わず3ラウンドのフルラウンドを戦って調整しようと話しあった。

とりあえず試合感覚を戻すこと、まだまだ万全には程遠いので、それなりに戦えたらいいなくらいに、この時は思えた。
逆に1ラウンドでKO出来れば休めるけど、失敗したら最悪だし、決勝のためにも初戦でフルラウンドやっといた方が、体が慣れるかなぁとか。

体重もバッチリ、あとは試合を待つのみとなった。


これ、大会2日前の状態。
目のやつはVRじゃないよ(笑)

ホットアイマスクのデジタル版。
頭痛、眼精疲労、蓄膿症なんかに絶大な効果あるんだぁこれ。うちの必需品
これ数日後戦える状態じゃねーよね。

そして、

全日本選手権予選、岩手県新人大会
1部ライト級、優勝。

決勝、5-0のフルマーク判定勝ち。

過去の試合中、ダウンを取れず判定で勝ったのは実に2度目だった。

1ラウンド目から様子がおかしくて、
序盤からゼイゼイ肩で息をしてる状態。
ラウンドインターバル中も、意識がハッキリしてないのが見てわかった。
やっぱり体調は戻らなかった。


初戦の準決勝は2度のダウンを奪い、
1ラウンド1分24秒TKO勝ち。
安定のKO勝ち、いつもの小次郎の動きに見えた。

ところが翌日決勝は、アップの時から息が切れて仕方なかったらしい。
それに加えてヘッドギアがしっくり合わず、何度もずり落ちて視界を遮ってしまい、見えてない様子で戦っていた。
それが体調不良と重なり、集中力も切れて、あとは地力で何とかした勝利だった。

本人も、ダウン無しでの判定決着に慣れておらず、
試合終わるや落胆した様子でいた。

今回だけは流石に仕方なかったと、わたしも小次郎に声を掛けに行ったのだが、
「ごめんなさい、本当ごめん。体調戻らなかった。
ヘッドギアも見えないし、集中出来なくてイライラしてた。
でもそんなの言い訳だし、倒せなかったし、
あんな中途半端な勝ち方で、
しかもフルマークで相手にも悪いし、良い試合したのに負けた仲間にも、勝った勝ったなんて正直喜べなかった」

珍しい、こんなこと思うようになったんだって。
わたしは正直嬉しかった。
対戦相手のことも、仲間のことも、自分さえ勝てればそれだけで良いなんて思えなかったか。

でもよコジ、相手の子、この負けに納得しないで悔しがってたか?って。
先生もコーチも、おめーあれじゃ負けてたぞって言われたか?って。

どっちもないってさ。

だろ?
誰が見ても小次郎の勝ちだったから判定でもフルマークだったんだよ。
負けたかもって心配なってたのは、本人と家族だけ。
空手も、判定なったら殆んど敗けだったし、
だから納得いかねんだよな。
だからKOに拘って来たんだよな。

オーバーワークでの調整ミス、わたしがもっと早く対処してやれば良かった。
一敗だけ黒星付けられた相手に借りを返す為だけに、
鬼みたいになって練習したからじゃん。

今回はコジの気持ちが、想いが強すぎた為のオーバーワークだった。
でもそれでいんじゃねーかな。
悔しかったんだもんな本当に
そのために3ヶ月頑張ったもんな

ただな、もう大丈夫だって
岩手じゃ、きっともう全員認めてくれてるよ。
ライト級のチャンピオンだ間違いなく
東北だって、負けたことないだろ?
判定だろうがKOだろうが、体調不良だろうが、
おめーが試合と殴り合いに勝った。
それよりも、こんなに具合悪くなるまで追い込んでさ、
その時点で誰よりも練習して来た自分を誇りに思え。
試合なんてそれの結果でしかねーんだ。
勝ちの価値は人それぞれ

空手でこんな事どれだけ経験してきたってよ
そもそも、その綺麗な顔はなによ
1回戦は0、決勝も殆んどパンチもらってねーだろ
ボクシングだぜ?
殴り合いなのに、答え出てんじゃんか。
おめーのパンチはガードしてても効くんだよ。
おれが毎日食らってるからわかる
KO出来なくても、効かせることは出来てんの!
プロじゃあるまいし、
オーバーワークや調整ミスは、全部おれのせいにしとけ!

と、慰めながら焼き肉食べました
そしたらすぐ直りました(笑)
アホでよかった(笑)

でもちょこっとだけ、勝ち続ける事の意味とプレッシャーを感じて成長出来た小次郎なのだった。

顔色悪!
なんか減量すっと中谷と西田を足したような顔してんな(笑)

次は東北大会、来年1月
それに勝てば遂に全国。

また2ヶ月、更にギア上げて強くしてやるから、
頑張ろうなコジ。今回はよく頑張った。
体調不良でも意地でも負けなかった
それだけで父ちゃん大満足です

小次郎ボクシング成績
15戦14勝1敗(7KO)

1年でやっと、タイトル目指せます