歌っている時だけが、
生きている証のような人だった......。

あなたはそこに座って数えている

自分に何ができるのか

短い指を折って数えている

不幸な少女よ


Janis Joplin - Kozmic Blues



Janis Joplin - "Summertime" (Live -1969)


   この「サマータイム」でのバンドは、アルバム『パール』のメンバーであり、スタジオ・ミュージシャンの寄せ集め、この水準のバンドで歌うことはジョプリンにとって、そうとうプレッシャーだったに違いない。ただしリードギターだけは「ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニー」から1人。このバンド(ビッグ・ブラザー......)はクオリティは目指さない、という変わった信念の集まりだった。「チープ・スリル」の印象的なギターでのイントロは「彼氏」に演ってもらいたかったのだろう。それにしてもリバーブ効かせないし、ミスタッチは多い(この辺はジョプリンの癒しに繋がったかもしれないのだが......)。そして、この二重に鳴らすハスキーボイスは唯一無二の歌唱法だ。
  こんにちまで若死の伝説だけの歌手としてだけ......過小評価されてる。発狂にちかい白人女性によるブルース(黒人によると難解らしい)、セックスやドラックの自由を標榜、気が強かったのだろう。端々にキツイ言葉を放っている。容姿による学生時代のイジメ、同窓会での無視 等々、ドラックを理由に次から次へと男は去っていく......。そんなことはジョプリンの才能になんの影響もなかった。
  しがないアマチュア・バンド ボーカリストのギター猫がライブ経験からジョプリンの苦悩を代弁させてもらうと、感情丸出しパフォーマンスをやってるのに —— メンバーは置物! ジャンプの一つぐらいしたらどうなんだ!死人め!と言いたい。

 「わたしはブルースシンガーなのよ!」

次の動画「Monterey Pop」で、
いきなり有名になる。

テキサスの田舎娘が歌手として成功......。

Janis Joplin - Ball & Chain - Monterey Pop



Janis Joplin - Ball And Chain live in Germany 69



Janis Joplin - MOVE OVER



Janis Joplin - GET IT WHILE YOU CAN



Janis Joplin - Maybe



Janis Joplin - Maybe (1969) Frankfurt, Germany



Janis Joplin - Little Girl Blue


♪ リトル ガール ブルー


私が幼かった頃

世界は私よりなお若く

毎日が回転木馬のように楽しかった


大好きなサーカスのテント

リングから天幕を見上げると

縫いつけられた星飾りが

夜空のすべての星を集めたように燦めいていた


いまでは若かった世界も年老いて

金ぴかも金も消え去った


あなたはそこに座って数えている

自分に何ができるのか

短い指を折って数えている

不幸な少女よ


あなたはそこに座って数えている

その身体に降りかかる雨の雫(しずく)を

もう気づいてもいい頃よ

できることはそれくらいなのだと


あなたは無駄に年をとった少女に過ぎない

わるあがきは止めてあきらめなさい

希望は痩せ細るばかりだから

ああ、誰かここに

あなたの哀しみを知る

優しい少年を連れてきてくれないものかしら

コタツ氏訳


享年27