去年、実家を売りました。

売却にあたり、家に残したものを全て処分しました。
母の着物含めてです。
 
 
何が正解だったのだろう?
母は納得して手放したのかな?
もっといいやり方があったかもしれない。
着物の買い取り業者が帰ったあと、こうした思いが残りました。
 
 
そこで「着物水洗いリメイクアドバイザー」の講座を受けました。
目から鱗でした。
 
処分を急ぐのではなく、別の形で残すのも選択肢の一つです。
 
 

 
 
実家の着物は見て見ぬ振りでした。
家の売却の前に、本人が元気で気力のあるうちに、一緒に考えるべきでした。
「知り合いに着物を洋服に仕立て直す人がいたのに」とか、「気付け教室で練習用に引き取ってくれるよ」など、全て終わってから教えて貰いましたが、それでは遅いのです。
 
 
思い出のある着物や帯、しまったままでは傷みます。
ほどくとわかりますが、虫に喰われたり、湿気でカビたり、重なった部分の色や箔が移っていたり、臭いがついていたり。
 
そんな状態でも取っておくのは、人生の節目に着た、思い出深い着物だからですよね。
持ち主にとっては意味があるからです。
 
傷んだ着物や帯は水で洗い生地の状態に戻せば、状態の良いところを活かして残すことが出来ます。
 
最初は捨てる着物で試して、本人の目の前でやることです。
ほどいて中の汚れや傷みを見ると、手放せる物が、増えるかもしれません。
 
 
生地のままでも、パネルやカルトナージュにして手元に置いて愉しむのも良いものです。
 
 

 
好きだった柄の着物、若い頃に着ていた着物が部屋に飾れていたら、母も気持ちが華やいだかな。
その着物でお出かけした時の話を聞かせてくれたかな。
 
 
実家の片付けは厄介で面倒です。
(特に着物は思い入れが強いので。)
でも、着ない着物を解いたり洗ったり、その着物を着ていた頃の話を聞きながらの作業は、ゆっくり母と向き合う機会にも出来る、と思います。
これは立派な親孝行になりますよね。
 
着物を業者に売る他に、別の形で残すことも選択肢の一つとして提案します。