20代の頃スキューバダイビングに夢中でした。

当時は札幌に住んでいたので小樽や積丹、支笏湖が主に潜る場所でした。
北海道の海はダイビング雑誌の様なカラフルな世界とは程遠く、南国の海で潜りたくて思い切って西表島に行った時のことです。
 
イカの群と遭遇しました。
スキューバの合間の休憩時間、シュノーケルで海を覗いていた時にイカの群れが私のところにやって来たのです。長さ40センチほどのイカはオパールの様に輝きながら、しなやかに私の周りを泳いでいました。すぐ近くなので捕まえようとするとスルッと向きを変えて逃げます。ギョロっとした大きな目玉がずっと私を見ていて、目が合った時は興奮しました。しばらくこちらを見ながら行ったり来たりして、そのうち飽きたのかいなくなりました。
 
私にとってイカは魚屋さんで買って食べる物でした。でも彼らにとって私はいつもの海に突然現れた"何だこれ⁈"だったのでしょう。
当たり前は立場が変わるとガラッと違って見えるのですね。

以前タイで暮らしていました。
タイは日本と違い、時間の感覚がゆったりとしています。
「急ぎます」と言っても走る人を見たことがありませんでした。
外国に行ってカルチャーショックを受けたわけです。
でも、これは家族、学校、社会生活のどこでもあると思います。
「私の」常識は「あなたの」それとは違うのが当たり前なのかもしれませんね。