大学入学後、学科オリエンテーションで、
「あなたはこの学科で何を学び、
卒業後はどうしていきたいですか?」
というアンケートがありました。
「インテリアテリアプランナーになりたくて」と答えたものの、
どんなことをしていきたいか、
まではまだ見えていませんでした。
自宅から約2時間かけて通学しながら、
毎週設計図の模写や宿題に追われ、
バイトと当時お決まりのテニスサークル、という日々。
その忙しさに、どんどん心と体が疲弊し、
「自分が本当にしたい事だけしよう」とサークルをやめ、
大好きなスポーツ観戦と旅にお金を使い、
バイトも変えました。
このときの経験が、
「自分を満たす」
ことの大切さを知ったベースにあります。
課題など、やるべきことをこなしつつ、
好きなこともちゃんと楽しむ。
楽しい事があるから、がんばれる、と。
一方で、いつしか私は「インテリアプランナー」という夢に
違和感を感じはじめていました。
そりゃそうです。
肝心の、「建物への関心」は、
同級生ほど強くなかったからです。
「このインテリア好き♡」
「この建物おもしろい」
「インテリアプランナー、って響きかっこいい」
という、ミーハー感。笑
「どうしたらこの空間ができるのか」
「この条件の中で、施主の要望を最大限かなえるには?」
「ここをもっと美しくするには?」
など、考える作業はとても楽しく、
でも、アイディアが浮かばないときはとても苦しく
そうやって苦しんで生み出したものを提出していくうち、
自分の「センス」の限界を感じてしまいました。
「創る側、ではない」と。
同級生の作品を見て、
「こういう解決策は私には浮かばない」
「こういうデザインを生み出せるってすごい!!」と。
脱帽、素直に尊敬、です。
いや、それもある意味言い訳だし、
自分で勝手に作った限界、というのも今はわかります。
だけど、当時はそれがとっても苦しかったし、
「それを乗り越えてでも!」という情熱が、
自分の中に生まれなかった。
構造力学もしんどくて、生まれて初めての赤点を取った時は、
正直ショックでした。
無事にクリアできたのは、友達のおかげ♡笑
そのうっぷんを趣味のスポーツ観戦や旅ではらすうち、いつしか、
「人の成長」
「育ってきた環境」
「人が思いを持って生み出す結果」に
魅力を感じている自分に気づいたのです。
自分の興味の対象は、建物を「創る」ことではなく、
そこに住まう「人」にある、という事に気づいたのです。
時は大学3年の秋。
「結果を出す人の魅力を伝えたい」とマスコミへと志望変更、
自分なりに動き出し、
スポーツ紙と出版社に希望を絞りました。
大阪での2次面接等にも進んだものの、
あえなく撃沈。
夏が近づき、内定をもらっている友人が増え始め、
もう一度自分の進路を考え始めました。
そこで初心に返り、
住環境について学んできたことと、
自分がしたいことの共通点を探りました。
スポーツ観戦が好きなのは、
がんばっている姿を応援することが好きだったから。
旅が好きなのは、
まだ見ぬ景色を見て、
その土地の空気を感じて、
新しい自分に出会うことと、
旅先で出会う人とのやり取りが楽しいから。
↑リンゴ、もらったよ
それに街づくりやコミュニティづくりの授業はおもしろかったし、
人にインタビューして企画していくのも楽しかった。
だから私は、家を創る側ではなく、
「マイホームが欲しいという夢を持つ人を応援する人になろう」
と、不動産会社を考え始めた翌日。
学校で久しぶりに会った友達から情報をもらい、
あれよあれよという間に10日で決まりました。
不景気で買い手市場だったのに。
しかも、当時プロ野球にはまっていた私が狂喜乱舞したのは、
グループ会社にプロ野球球団が入っていたこと。笑
ほんとにびっくり!!
そしてそこでの経験が、またいろんな学びをくれました。
つづく。


