あまり自慢げに言うことじゃないが、俺は女子に人気があるらしい

 

学校でただ歩いているだけで、女子から悲鳴があがる

 

いや・・・そんなのは今に始まった事じゃない

 

幼稚舎の頃からずっとだ

 

だからというわけではないが、俺はあまり女子が得意ではない

 

何よりも煩わしい、騒がれるとうんざりする

 

高校に入ってから親友のギョンに彼女ができ、周囲には彼女もちが数名できたが

 

俺はギョン・イン・ファンと馬鹿騒ぎしている方が性に合っている

 

そう思っていた

 

 

 

俺の通う高校では知らぬ間に二大勢力が出来ていた

 

俺と従兄弟のユルが人気を二分しているそうだ

 

ユルはわかる・・・あいつは女子にとてもフレンドリーだ

 

人気があって当然だ

 

だがその対抗馬がなぜ俺なんだ?俺は女子に話しかけることはしないし

 

親切でもない

 

まぁ勝手にやっていてくれ、俺は何の関心も持たないから・・・

 

 

 

そんなある日、従兄弟のユルが伯母と一緒に家にやってきた

 

大人は大人で話をし、俺はユルを部屋に招いて話をしていた

 

その時ユルが唐突に言った

 

『シン~僕さ、気になる子がいて・・・今日その子にシンと僕の

どっち派か聞いたんだよ。

そうしたら僕だっていうんだ。嬉しくなって生徒会主催のダンパに誘ったんだけど

断られちゃってさ・・・』

『ふ~~んそうか。』

 

ユルが誰を好きになろうが、俺には関係ない

 

『同じクラスのシン・チェギョンっていうんだけどさ・・・』

 

シン・チェギョン?それって、ギョンの彼女の友達じゃなかったか?

 

なるほどな・・・それで俺にはまったく興味がないんだ

 

女子に好かれることはあっても、あまり嫌われたことのない俺に

 

視線も向けず話しかけても来ないシン・チェギョン・・・

 

ユルの話を聞いて納得した俺だった

 

だがなぜだろう

 

不思議なことに俺は、ギョンの彼女の友達シン・チェギョンが

 

気になるようになっていった

 

話もしない、挨拶さえ交わさないのに・・・ユル派の彼女がなぜ

 

ギョンの彼女についてきているのか理解不能だった

 

また全く俺に興味を示さないのも、実意面白くなかった

 

矛盾しているな、俺は・・・

 

笑えばきっと可愛いだろうに、笑顔さえ俺には見せない

 

あぁ・・・ギョンには笑顔で話しかけるんだな

 

っつ・・・非常に不愉快だ

 

ユル派なら俺のところなんかに来なきゃいいのに・・・

 

毎日そう心の中で毒づいていた

 

 

 

そんなある日のことだった

 

家からの迎えの車を待っていた俺の足元を擦り抜けて、小さな猫が道路に

 

出ていこうとする

 

こんなヨチヨチ歩きの猫では走ってくる車を避けられるはずがない

 

このままにしておいたら危ない

 

俺は咄嗟にその猫を拾い上げ胸に抱いた

 

そして母猫がいないか辺りを見渡した

 

母猫はいないが、門の陰からこっそりこっちを窺っている

 

シン・チェギョンの姿を発見した

 

変なところを見られてしまったな、だがもう後戻りはできない

 

『うちに来るか?』

 

小さな猫に話しかけると、小さな声でニャァと鳴いた

 

俺は猫を胸に抱いたまま迎えに来た家の車に乗り込み家に帰った

 

母は非常に動物好きだ

 

見兼ねた動物を拾ってきてしまうので、そのうち我が家は小さな動物園に

 

なるんじゃないかと予想しているほどだ

 

俺が猫を一匹拾ったとしても、文句を言われることはない

 

先程のシン・チェギョンは、一体なぜこっそり覗いてたのだろうか

 

気になって仕方がなかった

 

 

 

連れ帰られた子猫は早速母にシャンプーをされ、明日には動物病院に

 

連れていかれるだろう

 

お腹を空かせていたのか、母から子猫用のフードを貰いひとまず隔離された

 

きっと明日病院で検査を受けたら、晴れて他の猫や犬とくっついて眠るんだろうな

 

 

 

 

翌日もギョンのところにギョンの彼女はやってきた

 

当然シン・チェギョンも一緒だ

 

ん?なんだかいつもの彼女と違う

 

俺に視線を向けないのはいつも通りだが、俺がギョンと話をしている時、チラチラと

 

俺を見ているような気がする

 

もしかして昨日の猫が気になっているのか?

 

数日様子を見たが、やはり今までの彼女とは違う

 

興味があるのが俺なのか猫なのかはわからないが、明らかに彼女の纏う空気が違う

 

そんな時にギョンから映画に誘われ、俺は迷わず承諾した

 

彼女と親しくなるチャンスだ!

 

彼女は?・・・あぁやはり来ると言った

 

 

 

 

その日俺は早めに映画館に向かい、ギョンやギョンの彼女と席を取った

 

天は俺に味方しているのか、四人並んでr座れる席はなく二人ずつに分かれた

 

これは願ってもないことだ

 

時間通りに着いた彼女と共に席に向かいながら、彼女は確実に俺を

 

意識していると認識した

 

明らかに挙動不審なんだ

 

これは畳みかけるしかないな

 

タイミングを見計らって俺は彼女に猫のことを話した

 

彼女は大きな目を零れ落ちそうなほど見開いて驚いていた

 

気が付かないと思っていたのか?

 

『猫、見に来るか?』

 

俺のそんな問いかけに彼女は躊躇いも無く頷いた

 

ついでのように『付き合ってほしい。』と言ったら、彼女は何と答えるだろうか

 

 

 

 

 

 

私のGWは終了しました~♪

でも、まだ新しいお話の構想が

ないんです(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!

 

なのでシン君の気持ちを書いてみました。

 

新しいお話は

もうちょ~~っと待っててね♥