週末約束した時間、私は指定された映画館の前で三人を待った
一番お気に入りのブラウスにミニスカ・・・肩にはカーディガンを羽織っている
これは座席に座った時に足を隠す必須アイテムだ
万が一隣にシン君が座ったら、やはり恥ずかしいじゃん!
待ち合わせ時間から五分が過ぎた・・・あえれ?私時間と場所を間違えた?
不安になってスマホを確認しようとした時だった
『あ~ごめんチェギョン、もう来ていたのね。』
『うん♪』
なぜか三人は映画館の中から出てきた
ギョン君はなんだかすまなそうに言う
『ゴメンね~チェギョン、四人並んで席を取りたかったんだけどさ~
二人ずつに別れちゃったんだ、シンと並んで映画でもいい?』
えっ?マジで・・・いや、嬉しいけど平常心が保つかな・・・
着ているブラウスをぶち破り今にも心臓が飛び出しそうで身体を強張らせた
そんな私の気持ちにお構いなくガンヒョンは目配せを送る
これは・・・《折角のチャンスよ、上手くやりなさい》という意味だ
『う・・・うん、いいよ。』
それしか答えられなかった
『じゃあ中に入りましょう。』
『あ・・・ガンヒョン、チケット代は誰に払ったらいいの?』
『いいわよ~ギョンの奢り♪』
『えっ?そんなの悪いよ・・・』
そう私が言い終わらないうちにギョン君とガンヒョンは映画館の中に入っちゃった
その場に残された私は石像のように固まっていた
するとシン君はそんな私をエスコートしてくれる
『俺たちも行こう。』
『う・・・うん。』
降って湧いたような幸運♪でも恋愛初心者には《興味の無い振り》をするだけで
精一杯かもしれない
『シン・チェギョンだったな?何を飲む?』
『あ・・・アイスティーを・・・』
はっ!お金出さなきゃ・・・
<ジャラジャラジャラ・・・・>
あ~~~慌てるあまりお財布の小銭をぶちまけた
私・・・本当にかっこ悪い
『くくっ何やってるんだよ。』
シン君はさりげなくスマホ決済して、私と一緒に小銭を拾ってくれた
恥ずかしい・・・恥ずかしすぎる
でもいつも学校で見ている冷たい表情じゃなくて、私のどん臭さも
笑って許してくれているような気がした
その後シン君は私が小銭を払う隙を与えず、塩味のポップコーンを購入すると
私を席に案内した
はぁ・・・右隣にシン君がいる
メチャクチャ緊張する~~!
お互いドリンクを指定の場所に置いた時、私はカーディガンを脱いで
膝の上にかけた
いくら暗いからって・・・ミニスカだからね
そして映画が始まるのを待つ・・・私は動かない石像のように必死に前だけを見ている
でも意識はシン君に集中している
体温を感じるほど・・・ふとした拍子に腕が触れそうな距離だ
シン君はそんな私にポップコーンを寄こそうとした
『持ってる?』
『あ・・・ううん、零したり落としたりしたら困るから・・・』
『くっ・・・そうだな。』
いよいよ映画が始まった
この映画はこの国きってのイケメン俳優が主演のアクション映画だ
でも・・・その俳優よりイケメンが横に座っているのだから
集中なんかできるはずないよ!
あ~~どうしよう、映画が終わるまで《興味の無い振り》できるのかな
映画も中盤に差し掛かった時、私の腕をシン君は突いた
ん?と思って手元を見ると、ポップコーンが向けられていた
慌てて私はシン君の顔を見上げた
お・・・おぉぉ///30センチの距離にシン君の美しい顔がある
『食べないの?』
シン君は顔を私の耳に近づけそういった
ひ・・・ひぃ~~耳に息がかかる
『う・・・うん!』
慌てて私はポップコーンを一つだけカップから取ると口に運んだ
何の味なのかもわかんない、緊張しすぎてアイスティーをゴクゴク飲んだ
するとシン君は私の耳元でまた何か言う
『あの子猫、元気だよ。』
あの子猫?えっ!!
あまりの動揺に口をパクパクさせた私にシン君は更に言う
『あの時見ていたんだろ?』
驚いてシン君に顔を向けた
うわぁ~ヤバいほど至近距離にシン君の顔があった
『う・・・うん、実は・・・』
『映画が終わったら見に来る?あの二人のデートに付き合っても仕方ないだろ?』
見に来る?見に来る?って・・・家に来いって事?
どうしよう・・・なんて考えるよりも早く、私の首は深く頷いていた
cool&tender 完
子猫見に来る?で
シン君の気持ちはお判りでしょうが
なかなか中途半端なところで終わるのが
鉄則よね(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
三話と短いお話でしたが
青臭い話にお付き合いいただきありがとうございます♥
では少々早いですが
私はGW休暇に入らせていただきます。
また多肉通信や
自分勝手な記事をアップさせていただきますね~♪
~星の欠片~ ★ emi ★