私は17歳、人生のうちで一番輝いている時期だと人はいう

 

でも・・・当の本人にはちっとも理解ができない

 

だって楽しみといえば、親友のガンヒョンと学校帰りに寄り道するくらい

 

彼がいないどころか恋愛経験もゼロ・・・

 

だから一番輝いている時期とか言われても、ま~~~ったくピンとこない

 

そんなのきっとお肌が曲がったおばちゃんが、若さを妬んで言ってるだけだよ

 

だって全然輝いていないもん!

 

 

 

 

 

うちの学校には二大勢力がある

 

イ・シン派とイ・ユル派・・・

 

これさ~~二人は従兄弟同士だっていうから笑っちゃうよね

 

つまり二人のお爺ちゃんとお婆ちゃんが同じって事

 

派閥なんかなければいいのに、なぜか挨拶代わりにみんな聞くんだよ

 

『ねえチェギョンはどっち派?』

 

え~~面倒くさいなぁ・・・

 

 

『どっちにも属さないかな、興味ないし。』

 

そうしたらそれを聞いていた同じクラスのイ・ユル君が驚いた顔をした

 

『えっ?チェギョンは僕派でしょ?クラスも一緒だし部活も一緒で

よく話すのに・・・』

 

あ~~どうしてもどちらかに属さなきゃダメなの?

 

『そ・・・そうだね、ユル君派かな?』

『だよね♪』

 

知らない間にユル君派になっていた・・・なんでなのよ~~!

 

まぁ・・・イ・シン君は話した事もないし、ここはユル君派ってことでいっか~♪

 

 

 

そうそう!もう一人の勢力イ・シン君って、メチャクチャイケメンで

 

背もメッチャ高いけどいつも表情を崩さないのよね

 

笑わないっていうのかな、笑った顔なんて見たこともない

 

その上二人共大企業のご子息っていうから、人気があっても当然だよね

 

まぁ私には関係ないけど・・・

 

そう思いながらもなぜかユル君は、私によく絡んでくる

 

例えばさ・・・

 

『ねえチェギョン、今度生徒会主催のダンパがあるんだけど

その時パートナーになってくれない?』

 

へ?・・・・あら・・・周囲の視線が私に刺さる

 

ユル君勘弁してよ~~!

 

『あ~ユル君ゴメンね、私そういうの興味ないから

他の人を誘って♪』

『えっ?そうなん?』

『うん♪』

 

ほら見てごらん~周囲のユル派がホッとした顔してる

 

学校内で妬まれたくないもん!

 

 

 

しかし・・・イ・シン君ってあんなに不愛想なのに、なんで人気があるんだろ・・・

 

不思議でしょうがない

 

だってさ・・・シン君が歩いているだけで女の子が『きゃきゃ~♥』って大騒ぎ

 

でも当のシン君は、すんご~~~く嫌そうに通り過ぎるもん

 

同じお爺ちゃんとお婆ちゃんの孫には到底思えないよね

 

ユル君は誰にでも愛想がいいもん

 

ヒスンに言わせると『そこがイ・シン様の魅力なんじゃない♪』っていうけど、

 

私にはさっぱりわかんないや

 

 

 

 

 

だけどそんなある日、衝撃的な光景を見てしまった

 

その日私は部活を終え、薄暗くなった校庭を自転車で走り校門を出ようとしていた

 

そこにあの・・・笑わない石像みたいなイ・シン君が迎えの車を待っていたんだ

 

おぉ・・・

 

なんか後ろを通るのも憚られて、私は門の中に隠れシン君が帰っていくまで

 

やり過ごすつもりでいた

 

そこに・・・あろうことかシン君の足元を通り抜け

 

道路に飛び出そうとする小さな物体が!

 

なにあれ・・・ネズミ?

 

 

目を凝らしてみるとどうやら薄汚れた子猫みたい

 

ヤバい!蹴られるよ!怒られるよ!

 

私はシン君がその子猫に酷い仕打ちをするんじゃないかって、自転車を置いて

 

その場に駆け付けようとした

 

でもそれより早くシン君は、その子猫を片手で捕まえた

 

あぁぁ・・・投げちゃうかもしれない、どうしよう・・・

 

私は相当シン君を信頼していなかったんだろうと思う

 

ところが・・・

 

『こら!道路に飛び出しちゃあダメだろ?母さん猫は?』

 

そう子猫に話しかけ辺りを見渡した

 

慌てて私は校門の中に隠れた

 

『母さん猫とはぐれたのか?仕方ないな、うちに来るか?』

 

えっ?嘘でしょ?

 

シン君から聞こえてきた物凄く優しい声に私は茫然とし、シン君が迎えの車に乗り込み

 

その場を去るまで微動だに出来なかった

 

なに?あの優しい声・・・優しい態度・・・

 

あまりにも衝撃的な光景にギャップ落ちしちゃったみたい

 

それからずっと私の頭から、子猫に話しかける優しい声が離れない

 

私の胸の鼓動は、初めての恋の訪れを教えてくれた

 

 

でもよりによって学校二大勢力の片方だなんて・・・はぁ~~~!

 

 

 

 

 

 

 

あはは~~どうってことない短編です。

良かったらお付き合いくださいね♥

 

お肌が曲がったおばちゃんが、若さを妬んで言ってるだけ

これ・・・私の事(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!