なんという事だ、今年のクリスマスは王族を招いてパーティーをするって?

 

ありえないだろう?

 

体のいいお見合いパーティーじゃないか!

 

まぁ・・・娘ばかりじゃなく王族の子息・・・俺の友人も来るが

 

どう考えたってハイエナみたいな女が俺に群がるのは目に見えてる

 

クールが売りの俺でも疲れそうだ

 

その騒ぎの中俺の友人チャン・ギョンだけは、参加を断りやがった

 

なんだと?高校入学してからシン・チェギョンの友人と付き合いだしたのは知ってるが

 

それが皇室のパーティーを拒むほどの行事なのか?

 

ギョンにそんな不満をぶつけたら

 

『シン~~今回は勘弁してくれよ~!俺、ガンヒョンと約束したんだよ。

クリスマスイブに食事する約束をさ~~♪格別ロマンチックな夜景の見える店を

予約しちゃったんだも~~ん♥あははは~~♪』

 

と・・・のたまう

 

良い友人関係を築いてきたギョンに振られて、なんだかショックな俺・・・

 

この分じゃクリスマスパーティーも楽しめなくなりそうだ

 

その時・・・俺の脳裏に幼馴染のお団子頭が浮かび上がった

 

そうだ!アイツを呼ぼう!アイツを呼べば憂鬱なパーティーもきっと楽しくなるはず

 

だが・・・ここ数年俺はアイツとは顔を合わせても、軽く会釈する程度で

 

碌に話もしていない

 

あ!そうだ!皇太后様に誘っていただこう、それがいい

 

俺は慈慶殿に出向き皇太后様に面会を申し込んだ

 

『どうしたのだ太子、まだクリスマスパーチーとやらが気に入らないのか?

だがなぁ・・・陛下もそなたの妃の件で気を揉んでいるのだ。

あまり反抗せずに言う事を聞いてあげなさい。』

 

皇太后様、パーチーじゃなくパーティーです

 

こういうお茶目なところは昔から少しも変ってらっしゃらない

 

いや、今は感傷に耽っている時ではない

 

皇太后様を丸め込まねば

 

『あぁ・・・その件なら譲歩したいと思います。ですが一つ条件があるのです。』

『なんだ?条件なら陛下に直訴した方が良いのではないか?』

『いえ、皇太后様にお願いしたいのです。』

『おぉ?私にか?私でできることがあるのかのぉ・・・』

 

皇太后様は不思議そうに首を傾げた

 

『皇太后様でなくては務まらないお願いです。』

『そうか?何でも聞いてやろう。』

『では・・・幼馴染のシン・チェギョンをそのパーティーに参加させてください。』

『おぉ?チェギョンをか?』

『はい、チェギョンが来ればきっと楽しいだろうと思いまして。』

 

皇太后様が時折チェギョンと連絡を取っていることは、

 

皇太后様の尚宮から聞いていた

 

きっと皇太后様はこの願いを聞き届けてくれるに違いない

 

皇太后様は満面の笑みで俺に告げた

 

『おぉ~それは大変良い考えだ。そうだなチェギョンを呼ぼう。

私も久しく逢っておらぬから、あの子の顔が見たい。

その願い・・・私に任せるがよいぞ。』

 

『ありがとうございます、皇太后様・・・』

 

シメシメ・・・上手くいった

 

これで気の重かったクリスマスパーティーが楽しみになる俺だった

 

 

 

 

 

 

 

え~~~っ?毎年一緒にクリスマスを過ごしていたガンヒョンが、今年できた彼氏と

 

一緒に過ごすなんて信じられない~~!

 

 

私が思いっきりブーイングしたらガンヒョンは

 

『だって仕方ないじゃない?アタシの都合も聞かずに

ギョンの奴勝手にレストランの予約を入れたのよ。

それにアタシもあんな高級なレストラン・・・行ってみたいじゃない♪』

 

ふぅ~~~女の友情なんて~~男の前には脆いものね

 

ちっ・・・仕方ないから今年はニャトレーゼのケーキを食べながら

 

チェジュンにニャンメリーをお酌させるか・・・

 

なんてしょぼくれていたある日、久し振りにあのお方から電話が入った

 

『チェギョンや~~♪』

『あっ!皇太后様ぁ~お元気でいらっしゃいますか?』

『元気だとも~チェギョンのその声を聞いたら元気百倍だ。おほほ・・・

だがなぁ~私を千倍元気にする方法があるのだよ。』

『えっ?それは何ですか?』

『ん~~皇室のクリスマスパーチーにチェギョンが来てくれることだ。』

『えっ?皇室のクリスマスパーティー?でもぉ皇太后様、

平民の私が皇室に行くなんて恐れ多いですぅ。』

『そんなことはない、昔はよく遊びに来ていただろう?

太子も楽しみにしておるから是非来ておくれ。』

『えっ?シン君が?』

 

でもシン君となんかここ数年碌に話をしていない、幼馴染だからって皇室に出入りして

 

いいものかなぁ・・・

 

戸惑った私が暫く無言でいると、電話の向こうから皇太后様の哀願する声が

 

聞こえた

 

『ダメかのぉ・・・私はチェギョンに逢いたいのだ。』

 

あ~~んそこまで言われると断れない

 

『わかりました、お伺いします♪』

『本当か?』

『はい!』

『おぉ~嬉しい事♪では迎えの車をシン家に向かわせるからな。

24日の午前9時にしよう。』

『はい!ではお逢いできるのを楽しみにしております♪』

 

こうして私はチェジュン相手にニャンメリーで乾杯しなくてもよくなった

 

16歳のクリスマスイブは楽しくなりそうだ~~♪

 

なんたってずっと話していない幼馴染とも、ゆっくり話ができるだろうしね

 

そうだ!プレゼントを用意しなくっちゃ♪

 

私はシン君にテディベアのストラップを用意した

 

まぁ庶民のプレゼントなんてその程度よね

 

 

 

 

そうしてクリスマスイブ当日、お母さんから

 

『チェギョン、ニャトレーゼでクリスマスケーキを買ってきて♪』

 

というお使いを断って、私は意気揚々と迎えに来た皇室の車に乗り込んだ

 

 

 

車は慈慶殿の前に到着し、そこには皇太后様と尚宮さんが私を待っていてくれた

 

『チェギョンや~~すっかり綺麗な娘になって♪』

 

あ~~ん皇太后様ったらお上手♥

 

『皇太后様も全くお変わりなくて・・・』

『おほほほ~さぁ着替えようか。』

『えっ?』

『チェギョンの為にドレスを用意したのだよ。こちらについておいで・・・』

 

あちゃ~~一張羅のワンピースを着てきたんだけど、これじゃあだめ?

 

尚宮さんは私を着替えさせるための部屋に案内してくれた

 

その広い部屋の中には、もぉ・・・目も眩みそうなほど綺麗なドレスがかけられていた

 

尚宮さんの手を借りそのドレスを身に着けて、どこでどう調べたのか

 

私のサイズのハイヒールまで履かされた

 

ん~~~ちょっと居心地が悪い

 

いつものお団子頭は解かれアップに結い直された

 

へ~~なんだか大人になった気分じゃん♪

 

あ~~でもシン君にはきっと《馬子にも衣裳》って言われちゃうんだろうな

 

 

 

 

 

 

私の都合で本日から

三話に渡って

クリスマスのお話を更新させていただきます♥

 

良かったらお付き合いくださいね~~♥