ladybird（てんとうむし）《後編》
シン君と話さなくなって、もう何年になるんだろう中学時代は全く逢っていなかったから、軽く三年以上話していない宮殿には度々お邪魔しているんだけど、慈慶殿にシン君が顔を出すことはないそんな様子を気にしてなのか、コン内官さんは私の送迎の時いつも東宮殿の前を通ってくれる運が良ければシン君の姿を見ることができる時折東宮から出てきたシン君を目にする・・・また背が伸びた凄く背が高い・・・もう巨人の域かも・・・私もね～随分大きくなったんだよ、もう《てんとうむし》だなんて呼ばせないんだから！そんな風にシン君に向かって心の中で話しかけてみる意地悪されても構わないから、面と向かって話したい・・・そんなことを思っていた時、皇太后様から嬉しい情報をいただいた『チェギョンや・・・太子はそなたと同じ高校に通うことになった。』『えっ？本当ですか？』『ああそうだ、だがなぜ太子はそなたが来ても顔を出さなくなったのだ？喧嘩でも・・・したのか？』『いいえ皇太后様、喧嘩なんかしておりません。ただちょっと・・・遠くなっちゃった気がします。』『あんなに仲が良かったのに・・・』それ・・・私が聞きたいくらいです何故私と顔を合わさなくなったのか、私が一番疑問に思っていますぅ～～！でも高校生になったら逢えるんだ♪絶対に話しかけてみよう、シン君は私の背が伸びた事なんか知らないからきっとビックリ仰天するかもね～♪私は高校生になる日を心待ちにしていたやっと・・・高校生になった♥シン君は探すまでもなく、すぐにわかったなぜならシン君の周りは光が集まっているかのようにキラキラしていたから・・・あぁぁやっぱり、普通の人じゃなかったんだと実感する一週間、シン君の行動を観察していた私は、昼休みの終る頃中庭を通ることを知った今日そこ話しかけるんだから！！そう思い教室から出ていこうとすると、親友のガンヒョンに尋ねられた『チェギョン、アンタどこに行くの？』『あ・・・ちょっと中庭に～～♪』『そう・・・』『行ってきま～す♪』ガンヒョンには《シン君》という幼馴染がいることは話したけど、そのシン君が皇太子だという事は話していないなんか敷居が高くて話せなくなっちゃったんだ美術科の棟から出てシン君の姿をロックオンした私は、意気揚々とシン君の元へ向かって行ったところがその途中で誰かに呼び止められちゃた『シン・チェギョンさん！』『は・・・はい？』誰？まったく知らない男子だ『一目惚れしました、付き合ってください。』はぁ？今急いでいるのに・・・『ごめんなさい、そういう事に興味がないので・・・』男子に頭を下げた後、シン君を目指して急いだわぁ・・・♥久し振りに近くで見るシン君だ♪私は満面の笑みを浮かべて、シン君に話しかけた『シンく・・・』シン君は確かに私rと目が合ったはずなのに、プイっと顔を背け私の横を通り過ぎた周囲にいる男子たちも同じように私から目を背けたどうして・・・久しぶりに逢ったのに、無視するの？それとも・・・もうシン君の記憶の中に幼馴染の私はいないの？私はあまりのショックに、暫くその場から動けなくなった教室に肩を落として戻っていった私を、ガンヒョンは心配そうに問い掛けた『どうしたのよチェギョン・・・何かあった？』『えっ？ううん・・・なにもないよ・・・』その日はガンヒョンの心配そうな視線を何度も感じながらも、私は何も話せなかった話す気力が・・・なかったそんな落ち込んでいる気分の時、コン内官さんは私を迎えにやってきた正直な気持ちを言って、今日は宮殿になんか行きたくないでも皇太后様命令だから仕方がない私は私服に着替えると公用車に乗り込んだ『チェギョンさん、どうかされましたか？』『えっ？』いきなりコン内官さんは私に問いかけた『いいえ～別に♪』取ってつけたような笑顔を浮かべてみたけど、気持ちが晴れるわけないよねそんな気持ちのまま訪れた皇太后様のお部屋・・・やっぱり聞かれちゃった『チェギョン・・・一体どうしたのだ？今日はとても元気がないようだが・・・』『そんなこと・・・ありません・・・』『嘘を吐くのはいけないことだ！』『どうしてそう思われるのですか？』『いつものチェギョンなら、テーブルの上の茶菓子を《おやつおやつ♪》といって美味しそうに食べるではないか！なのに今日は茶菓子に視線も向けない。』あ・・・食いしん坊はこんなところでウソがバレるんだ私は勇気を出して胸の中に溜まった鬱憤を皇太后様に吐き出した『あの・・・実は今日、学校でシン君に逢ったんです。』『ほぉ～それで？』『話しかけてみたのですが、無視・・・されました。』『なｂにっ？それはいかん！太子め・・・なんと酷いことを・・・尚宮！すぐここ五太子を呼びなさい！』『承知いたしました。』あ・・・尚宮さんが部屋から出ていったあ～～～とんでもない御方に告げ口しちゃったのかも・・・益々シン君に嫌われちゃうかも・・・いつも美味しくいただくおやつに手も付けないまま、私は困り果てて俯いた高校に入学して一週間・・・昼休みに中庭を歩いていくとチェギョンがs男子生徒に告白されている場面に沿遭遇した『あ～やっぱりシン・チェギョンは人気があるんだ～～♪あのバディだもんね・・・』『おいギョン！やめなよ。』っつ・・・なんて面白くないんだ・・・そうしたらチェギョンは、その男子生徒に頭を下げて俺の方に向かってくる『シンく・・・』俺はチェギョンから目を逸らし、何も気づかなかったような顔をして通り過ぎたチェギョンが友人たちから厭らしい目で見られるのが、堪らなく板だったからだ映像科の棟に入ろうとした時、少しだけ振り向いてチェギョンの様子を確認したチェギョンはその場で俯いて立ち尽くしていた俺は胸の中に大きな罪悪感を抱えたまま、授業どころじゃなかったいつも以上に疲労感を抱えて帰っていった東宮殿着替えを済ませ執務室に向かうと、皇太后様付きの尚宮が俺を待っていた『殿下、皇太后様がお呼びです。火急の用件だそうです。』『わかった、すぐに行こう。』火急の用件？一体なんだ？皇太后様の部屋を訪れ、ソファーに座って泣いているチェギョンを見た時俺は全てを悟ってしまったつまり皇太后様は、チェギョンを苛めた俺を懲らしめようとお呼びになったのだ『太子、座りなさい。』『はい、失礼いたします。』俺はチェギョンの隣に腰掛けながらチェギョンの顔を覗き込んだ『チェギョン・・・久しぶり。』『うぎゃぁお～～！』隣から悲鳴が聞こえる・・・まぁ怒って当然だな皇太后様はそんな俺に厳しい視線を向けられた『太子、なぜチェギョンを無視などしたのだ？チェギョンはそなたの幼馴染だろう？』『ええそうなのですが、友人たちが・・・』『友人がいたからチェギョンを無視したというのか？』っつ・・・何とも答えにくい質問をなさるするとチェギョンは泣いていた顔を上げて、俺に抗議の目を向けた『久し振りに勇気を出して話しかけたのに、あんなのあんまりだ！』『お前が成長しすぎるからいけないんだろ？俺の友人たちがお前を見てなんて噂しているか知ってるか？』『へ？なんて・・・？』『グラマーだの厭らしい目で見てるんだよ！それになんだ？入学一週間で男に告白されるなんて！隙が多すぎるだろう？』チェギョンは涙の残る頬を真っ赤に染めて、両腕で胸を隠した『そんな事・・・知らないし！大体、身長を伸ばすために一生懸命牛乳を飲んだらこうなっちゃったんだもん！私は何も悪くないよ！』確かにな・・・胸なんて大きくしようと思ってなるもんじゃないきっと体質だろう・・・はっ！俺は俺達を楽しそうに見つめ目を細めている皇太后様の存在を忘れていた『あ・・・あの・・・』皇太后様は声を上げて笑った『おほほほほ・・・どうやら仲直りできそうだな。』そうなのか？チェギョンはまだ怒っているようだが・・・『あとは東宮で仲直りしたらどうだ？』『えっ？あ・・・はい、』『え～～～っ皇太后様ぁ・・・』不安そうな顔を皇太后様に向けたチェギョンそのチェギョンに皇太后様はとんでもない言葉を投げかけた『あと一年したら婚約になるのだぞ、早く仲直りしなさい。』『あぁ？』『えっ？』俺達は驚いて皇太后様を凝視した、婚約って・・・誰と誰がだ？『おや・・・まだ二人共聞いてなかったのか？二人は先帝とシン家のお爺さんが決めた許嫁だと・・・』『『え～～～～っ？』』俺達は揃って大きな声を上げてしまった『さぁチェギョン、この茶菓子は家に持って帰ればよい。東宮で食事して仲直りをするのだぞ。』『は・・・はい・・・』チェギョンは茫然としている俺も唖然とした状態だ慈慶殿を出て東宮に向かいながら、俺達は久しぶりに話をしている『シン君、私・・・背が伸びたいでしょう？もう《てんとうむし》じゃないからね！』『あぁそうだな、確かに伸びた。』まぁあちこち成長してくれたよな、俺の心を乱すほど・・・《てんとうむし》じゃなく綺麗な翼の鳥になっただがいくら綺麗な翼を持っていたとしても、もう飛んではいけないぞなんたってお前は俺の許嫁で、何れ俺の妃だ一生宮殿という《籠の鳥》だそしてお前の夫・・・これは俺だけに与えられた特権だな、くくくっ・・・ladybird（てんとうむし）完あはは～～三話という短いお話でしたが凝縮した（≧▽≦）ノ”ギャハハハ！新しいお話のネタがなかったらこのお話の書庫ができて続きを書かせていただきます♥もし続投するとしてもタイトルが変わります。お付き合いいただきありがとうございました～～♥明日は朝から二つも検診があるのでお返事が遅くなるかもですがよろしくお願いいたします♥～星の欠片～ ★ emi ★
