ladybird(てんとうむし)《中編》
シン君のお爺ちゃんが亡くなった・・・私はお爺ちゃんと一緒に葬儀に参列した今まで見たこともないほど大勢の人が、シン君のお爺ちゃんの死を嘆いていたシン君のお爺ちゃんって、凄い人だったんだ私にも優しくしてくれたシン君のお爺ちゃん私もなんだかとても悲しい気持ちになったそれから暫く経った頃、うちのお爺ちゃんは体調を崩した仲の良かったシン君のお爺ちゃんが亡くなって、うちのお爺ちゃんも元気がなくなってしまったみたいその後入院することになったうちの中が・・・急に寂しくなったシン君もきっと寂しい思いをしているよね?でもお爺ちゃんが入院しちゃったから、私はシン君のおうちに遊びにも行けないいつもみたいに意地悪言われても構わない、私が行けば少しは元気になれると思うのに行く方法がない・・・シン君はどうしているかな、シン君のお婆ちゃんは泣いていないかな・・・私は幼いなりに、小さな胸を痛めていたそんなある日・・・シン君の家のコンおじちゃんが私を迎えに来てくれたシン君のお婆ちゃんが、私に逢いたいんだって♪よ~~し精一杯元気づけに行こう♪お父さんとお母さんに見送られ、私はコンおじちゃんの車に乗った運転しているのはコンおじちゃんじゃないけどね・・・『チェギョンさん、おじいさんの具合はいかがですか?』そう聞かれてあまり心配かけてもいけないとは思ったけど、上手な嘘が吐けなかった『あまり元気じゃないですぅ。』『そうですか、ご心配ですね。』『うん・・・』コンおじちゃんもなんだか疲れた顔をしていたみんなシン君のお爺ちゃんが亡くなった事が悲しいんだねシン君のお婆ちゃんのおうちに着いた時、私はなんだか不思議な感じがしたなぜならおうちが変わっていたからだ『コンおじちゃん、ここ・・お婆ちゃんのおうちじゃないよ?』『引っ越されたのですよ。』『そうなんだぁ~。』まだその時の私は、たくさんある大きなおうちがどんな場所なのか知らなかった『皇太后様、シン・チェギョンさんがお越しになりました。』『おぉ待っておったぞ。』部屋の中からお婆ちゃんの優しい声が聞こえた『シン君のお婆ちゃん、こんにちは~~♪』『こんにちは、チェギョンはいつも元気だな。』そういったシン君のお婆ちゃんは、なんだかすごく小さくなった気がした私はシン君のお婆ちゃんと、いろんな話をした時々お婆ちゃんは笑ってくれた、それだけで私はお婆ちゃんの役に立てたような気がして嬉しかった『そうだ!シンをここに呼んだのだ。シンがな・・・とても寂しがっている。チェギョンが元気づけてくれるか?』『うんっ♪』心配していたシン君に逢えると聞き、私はとても良いお返事ができたと思うあっ!シン君が来た♪あ・・・本当だ、お婆ちゃんほどじゃないけどとても元気がない『シン君♪』『チェギョン・・・』『一緒に遊ぶ?』『うん。』シン君と私はいつも通り遊び始めたでも・・・いつも以上にシン君は動きが鈍い、ご飯食べてないんじゃないのかな?『はぁ・・・はぁ・・・』息が上がって座り込んじゃった私はシン君のところまで行き、シン君の頭をそっと撫でた『シン君・・・寂しいね、悲しいね・・・』『うん・・・・』あ・・・シン君が泣いてる私は人から見えないようにシン君を自分の身体で隠したそれから何度も私はシン君のお婆ちゃんに呼び出され、その都度シン君と遊んだシン君は毎回私に意地悪ばかり言う『おい《てんとうむし》、お前小さすぎだろう?牛乳を毎日飲め!』『飲んでるよ~~・・・』『普通じゃあ足りない、たくさん飲め!』でもさ~牛乳をたくさん飲むと、お腹ゴロゴロしちゃうんだよそうは思ったけど私は少しでもシン君に近づきたくて、毎日せっせと牛乳を飲んだ逢う度に意地悪をするシン君だけど、その日だけは違ってた私のお爺ちゃんが亡くなって、その後逢った時・・・『チェギョン・・・お爺さん・・・』『うん・・・』その後は何も言わず黙って私の頭をポンポン撫でてくれたいつも意地悪なシン君が見せた突然の優しさに、私は我慢することができずその日はずっと泣いてしまったそれからも頻繁に、私はシン君のお婆ちゃんに呼び出され遊びに行ったシン君のお婆ちゃんは私のことをとても可愛がってくれていて、逢う度に《また大きくなった、それに可愛くなった》と褒めてくれたお婆ちゃんに逢いに行った時には、必ずシン君と遊んだそのうち私は徐々に、遊びに行っている場所が宮殿で・・・逢っている人は皇太后様と皇太子殿下だという事を知った特別な人たちだ、なぜそんな場所に私は気軽に遊びに来られるんだろう?不思議で仕方がなかっただけど中学生になると、皇太后様の呼び出しには応じ楽しくおしゃべりするんだけどシン君の住む東宮殿には立ち寄らなくなっていった思春期ってやつなのかな、私たちは難しい年頃になったんだねチェギョンが再び宮殿を訪れるようになって、俺は溜息を吐くこともなくなったチェギョンが東宮に来ると、なんだか安らぎを覚えたそれが本心なのに、俺ときたらなぜか意地悪しか言えないちょこまかこそばゆい《てんとうむし》をからかいながら、ずっとこのまま変わらずにいてほしいと願うそんな矛盾した気持ちを抱えながら、俺達は度々東宮で遊んだ時には一緒に食事をしていくこともあったその度にチェギョンは俺に聞く『お父さんとお母さんは?』『ほかの家に居る。』『そっか~~寂しいね。』そのうちにはチェギョンもここが宮殿であることを知ったらしいそんな質問はしなくなった確かに《てんとうむし》と呼んでからかっていたのは俺だが、小学生の後半になるとチェギョンは少しずつ背が伸び始めたとは言っても俺の比ではないが・・・牛乳をたくさん飲め!そう言ったのは俺なのに・・・チェギョンの変化が俺には面白くなかったようだ慈慶殿にチェギョンが来ても、俺は敢えて顔を出さなくなったそのうちには慈慶殿に来たチェギョンを遠巻きに見て、なんだか胸の中がもやもやするようになったそうなると益々チェギョンを呼びつけることはしなくなったチェギョンの変化が・・・面白くないのだ碌に話をしないまま中学を卒業した時、チェギョンは俺と同じ高校に通うと知ったこれからは学校でも顔を合わすだろう慈慶殿に来た時に、盗み見するような真似はしなくて済むなんだか姑息だな、俺は・・・盗み見たチェギョンのスカート丈を、心の中で非難する自分が俺は堪らなく嫌いだったそんな風に意識してしまうから、逢えなくなってしまうんだチェギョンに逢いたい自分と、逢ってもきっと目を逸らしてしまう自分の狭間で俺は自分の感情を上手く消化できなかったやがて春が来て俺は韓国芸術高校に入学した名門であるこの学校内でも、俺と国内有名企業の御曹司である友人達は相当注目されているようだ俺達が校内を歩く度に女子から悲鳴が上がる煩わしい・・・《てんとうむし》のチェギョンとはまた別の煩わしさだそうだ!チェギョンはどこだ?確か美術科だと言っていたな昼休み、俺は学校側から用意された《皇太子ルーム》の窓から美術科の一年のクラスを見ていたすると俺の仲間達も、一緒になって観察を始めた『おぉ~美術科は可愛い子揃いだな。あれ?あれって公立中学出身のシン・チェギョンじゃね?』なにっ?なぜギョンからチェギョンの名前が出るんだ?『アイツいいよな~スタイルいいし・・・何よりもグラマー♪』グラマーだと?俺は目を凝らしてギョンの視線の先を見つめたあれは・・・確かにチェギョンだ、あぁ?ギョンの・・・言った通りなのかも制服のブレザーがはちきれそうだいくらチビだったからって牛乳の飲み過ぎだろう?そんなところまで育たなくても・・・『いいよな~シン・チェギョン。』『うんいいね~顔もすごく可愛くて・・・』『本当にグラマーだな。』ギョン・イン・ファンが・・・チェギョンをじっと見つめている俺は胸の仲が燃えるように熱くなったそんな目で・・・チェギョンを見るな!『アイツは俺の幼馴染だ。』『えっ?シンの?』『いいな~~紹介してくれよ。』『シン・・・東宮にも来るのか?』皆一斉に羨望の眼差しを俺に向けただが俺は三人を睨みつけ言い放つ『アイツをおかしな目で見るのはやめろ!!』アイツに意地悪するのも、そういう目で見るのも・・・俺だけの特権・・・そう心の中で毒づいた時、俺の心臓が大きく鼓動を鳴らしたもしかして俺は・・・恋をしているんじゃ?前編が不測の事態であまりにも短かった為ちょっと長めに頑張ってみた。(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!さて~後編でどうなるのかな。次回お楽しみに~~♥