こんにちは、フクロウです。

 

これは未経験の不動産屋(不動産の知識・経験ゼロの男)が宅建試験に合格して、ひとりで不動産屋を開業して不動産屋のリアルをお伝えするブログです。

 

 

 

 

  原野商法とは?

 

1970年代~1980年代に多発した「原野商法」を知っていますか?

 

「原野商法」とは値上がりの見込みがほとんどないような山林や原野を販売する商法です。本当は建設計画などはないにもかかわらず「開発計画がある」「近くに道路ができる」「将来確実に値上がりする」などの嘘の説明をして販売します。

 

早い話が詐欺です。

 

 

すでに終焉したと思われていた原野商法が実は終わっていなかったのです。

 

近年は原野商法の二次被害が増加しているのです。

原野商法で儲けた詐欺会社のターゲットは「過去に原野商法で被害にあった人達」なのです。

 

 

  勧誘パターン

 

国民生活センターの資料によると、勧誘電話・訪問勧誘は大きく分けて3パターンあるようです。

 

 

売却勧誘(下取り型)

 

・雑木林を買い取ると勧誘され、節税対策と言われお金を支払ったが実際は原野の購入と売却の契約だった
 

・山林を売却する際の担保としての土地と説明されたが別の山林の購入契約だった
 

・山林の購入契約についてクーリング・オフをしたが返金されない
 

・子に迷惑をかけたくなく原野を売却したが、新たな土地の契約をさせられていた
 

・原野売却費用の工面のために自宅を売るよう言われて契約した
 

・宅地建物取引業の免許を持つ業者だというので信用したが契約後連絡が取れない

 

 

売却勧誘(サービス提供型)

 

・山林を購入したい人がいると説明され、調査と整地費用を払った

 

 

管理費請求型

 

・覚えのない管理業者から別荘地の管理費20年分を支払えとの通知が届いた


・管理費の支払督促に異議申立てしないようそそのかされ、仮差押えがされた

 

※国民生活センターの資料を参考※

 

 

  原野商法の被害件数

 

2010年までの原野商法の被害件数は年間500件以内だったのですが、2011年は780件、2013年には1032件、2017年には1196件と年間1000件を超えています

2010年までと比べると、近年の被害件数は2倍以上です。

 

※上記の数字は国民生活センターに相談されている件数なので、相談していないものを含めると1500件前後だと予想されます!

 

 

ちなみに被害額は2010年頃までは100万円前後でしたが、現在は400~500万円となっています。

 

※国民生活センターの資料を参考※

 

 

  被害者の年代別割合

 

2009年~2018年までの原野商法被害者の年代別割合は91%が60歳以上の高齢者となっています。

 

50歳未満 → 2.4%

50代 → 6.3%

60代 → 18.8%

70代 → 39.1%

80歳以上 → 33.5%

 

※国民生活センターの資料を参考※

 

 

  詐欺の特徴

 

①不当な勧誘行為

・虚偽説明

・説明不足

 

②書面に問題がある

・クーリングオフの記載なし

・法律に定める記載事項なし

 

③請求の根拠が不明

 

④詐欺会社と連絡が取れなくなる

 

 

  まとめ

 

原野商法、原野商法の二次被害について書きましたが、原野商法は詐欺行為ですので絶対に引っかかってはいけません。

 

 

最近、最も多い勧誘パターンは「売却勧誘(下取り型)」です。

この手口は巧妙で複雑ですので、簡単に説明します。

 

 

【売却勧誘(下取り型)】

 

①「あなたの持っている土地を高値で買い取る」などの電話勧誘が来る

 

②その後、詐欺業者は契約内容の詳細を説明せずに「節税対策」などの名目でお金を請求してくる

 

③この説明は嘘で、実際は原野の売却と同時に、より高い金額の新たな原野の土地購入をセットで契約させます

 

④消費者は契約内容を適切に認識できないまま、売却する土地と購入する土地の差額分を支払う契約を結ばされてしまう

 

 

……マジで酷いですね。

言葉は悪いかもしれませんが、高齢者を騙すヤツは本気で死ねばいいと思ってます。

 

 

ちなみに、契約後に詐欺業者と連絡が取れなくなるのが大半なので、原野商法の二次被害で支払ってしまったお金を取り戻すことは非常に難しいです。

「土地を買い取りたい」などの勧誘には十分にお気を付けください。

 

 

  お願い

 

……本気で原野商法の被害者を減らしたいので、酷い言い方をします。

 

詐欺会社に騙されて購入した「原野」や「山林」は今まで値上がりもせず、開発の話もない土地です。そんな土地を買いたい人がいるわけがありません。

 

仮にニュースなどでその土地の開発の話が上がったら、まずは役所で確認しましょう。噂話は信用してはいけません。

 

まずは疑ってかかることが大切です。

 

 

つまり、「原野」や「山林」の買い取り話には耳を貸さない、契約しないことです。

業者の提案や説明で、おかしい部分や不安な時は自分ひとりでは決めずに、家族や消費生活センターに相談しましょう。

 

少しでも被害者が減ることを願っています。

 

 

このブログの読者様にお願いがあります。

自分の親族やまわりの高齢者の方で原野商法などで悩んでいる方がいたら、すぐに消費生活センターに相談するように伝えて下さい。

 

よろしくお願いします。