●暖ぼ~る誕生秘話 その8 | 清水たけし★のブログ

●暖ぼ~る誕生秘話 その8

暖ぼ~る開発への挑戦6

なぜ、エクボは「暖ぼ~る」を製品化しなければ
ならなかったのか。ある人はいう。
ドイツ女性を助けたかったのなら・・・
「1個」作ってもって行って「終わり」じゃないか!


結局、お前は偽善者じゃないか!


確かに彼は正しい。

私も「始め」そう考えた。


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「1個」作って持っていけばいい。
しかし、ことはそう簡単ではなかった。
開発の資金をどうやって捻出するのか。
小さなうちの会社の今の予算ではとても、とても
まかなえない。
その開発費の準備のために「助成金、公的資金、

企業への譲渡、銀行への融資申込」・・・
さまざまな方法でアプローチしたが、


「暖ぼ~る」の開発に充てられるに足るだけの

「開発費」をどこからも捻出ができなかったのだ。


そればかりか、他に類のない「製品開発」には、
他社は慎重が上にも慎重だった。

国民生活金融公庫の窓口でも、

「同じ商品」がない!・・・と


「ほんとうに気持ちだけ」程度の評価だった。
だが、私にはこれからの時代に「絶対必要」な技術。


・・・という信念があった。どこも力を貸してはくれない。
「よーし、それなら・・・」

「自分たちで金を集めてやろうじゃないか・・・」


ここから、暖ぼ~るプロジェクトは、始まった。


カンパ、親戚からの借金・・・
そして、プロトタイプが出来た段階で「縁故者」から
の「私募債」による出資の募集・・・
エトセトラ、エトセトラ。


「暖ぼ~る開発プロジェクト」の開始だった。

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彼ら「支援者」に対し、私たちにできること。
私たちを信じて「お金」を出してくれた有志の
かたがた、善意の皆さんにどうやって恩返しを
するのか。

それは、「暖ぼ~る」を製品化し、「量産」して事業を
立上げ、その収益で恩返しをしなくてはならなかった
のだ。「暖ぼ~る」を求めてくださった皆さまに、

いま心から「感謝」を申しあげたい!・・・


●・・・話を開発に戻すことにしよう。

試作機の段階で、「量産機」には無い、いくつかの

機能があった。
その1つが、「トレー」の上に「暖ぼ~る」を「さかさま」

に載せると電磁式に「キー」が開錠して、
下ケースが 「上に外れる」、電磁式開錠システムだ。

(図参照)


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開閉に要する電力と電子パーツの多さから、コスト

削減の意味からも「廃案」となってしまった幻の
機能である。

2006年、試作機が直径12cmのデザインで
出来上がった。試作業者の仕上げた「樹脂ケース」は
見事だった。

アクリルを削り出し設計のイメージどおりに出来上が

った。・・・この時、試作モデルの製作業者から
「製品」は試作品どおりには出来ませんよ・・・と
釘を刺された。


「量産」の壁だ。・・試作は「NC工作機」でいかようにも
研削でき、職人の腕さえ良ければ「自由に形状」が
作り出せる。


しかし、「量産」ではそうはいかない・・・。
その「課題」は徐々に明らかになった。


「暖ぼ~る」は外見が単純に「球形」だ。
誰もが「簡単にできる」と思った・・・ところが、そうでは
なかったのだ。 樹脂の扱いを知らなかった「エクボ」の
技術スタッフは、この時初めて、樹脂の成形の常識に

ぶつかった。
当たり前だが・・・樹脂は溶かして金型に流し込む。

つまり、金型から抜けないと、製品は取り出せない。

それまで、我々は「電子回路」には多少の造詣はあった。

しかし、「樹脂」は全くの素人だった。無知だったのだ。

そんな中、私は、手に取った人が「きしみ」を感じたり、

「不安」を感じるようなつくりにしてはならない・・・と

技術担当者に注文を出していた。


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今思えば、めちゃくちゃな要求だ。
しかし、知らない者だからできた「怖さ知らず」
だった。

暖ぼ~るの成形は、まともな成形業者から
見れば、「非常識」だったらしい。
その一例が、厚さ「10mm(1cm)」以上もある
「樹脂」の円形の板の部材成形だった。
どうしてもそのパーツが必要だったのだ。


後でわかったのだが、樹脂成形業者の常識は
「平均2mmの厚さ」であり、さらに10cmを超える
「真球」を樹脂で「成形すること」自体・・・殆どやらない

のだそうだ。


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業界の常識を知らなかったからこそ、「暖ぼ~る」の

設計が出来たのだろう。

・・・だが、ここまで何とか進んできた我々の前に、

また新たな困難が出現したのだ。

(続く)


●オリジナルURL 

http://www.ekbo.co.jp/sub02_02_05_08.html

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(仁/HUC)