術後のお助け | 広島大学病院乳腺外科ブログ ~広島の乳がん医療に取り組みます~

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広島大学病院乳腺外科スタッフが、乳がんのこと、日常のこと、感じたことなどを交代で綴っていきます。ぜひ、気軽にコメントもいただければうれしいです!
注:このブログは広島大学公式ブログではありません。発言内容は個人の見解であり、広島大学とは一切関係ありません。

こんばんは 広島大学病院乳腺外科の網岡です。

 

日本中、世界中、新型コロナウィルスの脅威で大混乱しています。

 

日々病院勤務している身としては、手洗いうがい、免疫力を下げない生活を心がけ続けるしかありません。治療中の患者さん達は特に、一緒に予防を続けていきましょう。

 

乳がん手術の術式を決めるとき、乳房に対しては大きく分けて乳房切除術(全摘)と、部分切除とに分かれます。

前者は再建手術を行うかも検討してもらいます。

 

癌の場所や拡がりによって、術式は物理的に決まるときと、社会的(部分切除後の放射線治療を受けることが難しい等)に決まるとき、患者さんの希望によって決まるときなど様々です。

 

非浸潤性乳管がん、つまりステージ0の、切除したら理論上は根治を見込めるものでも、画像診断又は病理学的に乳頭乳輪に病巣が入り込んでしまっている場合は、乳頭乳輪を温存することが出来ません。癌を取り残さないようにするためです。

 

範囲が広ければ全摘になります。

 

また、術前診断で、乳頭乳輪に「近い」ことが予想されている場合は、手術中に迅速病理診断に乳頭乳輪直下の組織を提出し、そこに悪性細胞が含まれていた場合は乳頭乳輪を切除、含まれていなかった場合は乳頭乳輪を温存する、という選択もあります。

(再建をする場合と、部分切除する場合)

 

残念ながら乳頭乳輪を残せなかった場合、落ち込む方はいらっしゃいます。

 

ぱっと見て、あるべき場所に乳頭乳輪が無いと人は違和感を感じるので、それを実感・想像されているからかもしれません。

 

例えば、温泉などで人目に触れる可能性が高い場合や、小さいお子さんと一緒にお風呂に入る時にビックリさせてしまわないかと気を遣う場合などあるでしょう。

 

そんな時、簡単に貼れる「人工の乳頭乳輪」があるのをご存知でしょうか。

 

ご自分の手術をしていない側の乳頭乳輪に似ているものを選ぶこともできますし、完全オーダーメイドのものもあります。

(形成外科の手術で、乳頭乳輪を再建する方法もあります)

 

もっと言えば、全摘後に装着できる、人工の乳房もあります。

 

 

温泉が好きだったけど、人目が気になって手術後は足が遠のいている、子供の反応想像すると一緒のお風呂は避けてしまう、などがあれば、使ってみる価値はあるかもしれません。

 

少し狭い範囲の話ですが、当院では看護師さんが案内してくれています。

 

迷ったらお話だけでも。