さて、どうして買ったのかの続きである。

 

「成功者はなぜウブロの時計に惹かれるのか」
という本を、ウブロを買う前に読んだ。
 
この本の内容は読んでいただければと思うが、こういう本が出たということ自体がブランディングに非常に役立っていると思われる。実際、スポーツ選手や成功した若手起業家など、勢いがあると思われる人がつけたいと思う時計であるという意味づけは、購買意欲を掻き立てるのに非常に効果的だ。

 
また、パテックフィリップや、オーデマピゲなど、いわゆる3大雲上モデルを好む人からは、ウブロは売り方が上手にいっただけで品質が悪いとか、パクリデザインだとか、歴史がないとか、批判をうけていることをよく見聞きする。

しかしどの世界でも、由緒ある伝統VS革新的な新戦力という図式の戦いは昔よりある。どちらが勝つかは戦いによるだろうが、新戦力側が存在感を出すことは時々ある。

たとえば、フェラーリに対抗すべくランボルギーニが作られたという都市伝説があるが、いまではランボルギーニはフェラーリにない魅力を持ち、常に一定の評価を得ている。今ではランボルギーニが一発屋だという意見はもちろんなく、むしろ歴史のあるブランドになりつつある。

ウブロも今にバブルが弾けるだろうと言われてきたが、少なくとも今はまだまだ勢いがある。W杯のタイムキーパーになっていたりと露出も十分あり、中古価格も予想されているよりは落ちていない。その理由についてはまたいつか考察したい。
 


また、値段設定も非常に絶妙である。一般的によく知られている高価な時計はロレックス、カルティエといったところだろう。それらの時計をつけている人はよく見る。そういった人とは一線を画したいと思っている人には、今やウブロはちょうどいいブランドになっている。

100万から200万以上するのに一般的に知られているブランドというのは、ウブロかフランクミュラーくらいだろう。ビバー氏が、ウブロをフェラーリのようなブランドにしたいと言っていた記事を読んだことがある。すなわち、フェラーリは田舎の子供達でも知っているくらい知れ渡っているが、実際購入することができるのは一握りの富裕層だけだという立ち位置である。

実際それに近いブランドになりつつある印象だが、時計業界での今のウブロの立ち位置はフェラーリというよりポルシェくらいではないだろうか。まあでも大体そのブランド戦略はうまくいっている気がする。
 


長くなってしまったが、とにかく、
 
1 時計の形が今風
2 カジュアルに持てる高級時計という今までになかったニッチなニーズ
3 伝統に立ち向かう革新的で先進的な成功者のブランドというイメージ
4 車におけるポルシェやフェラーリという立ち位置、値段設定
 
という点に私はいとも簡単にやられてしまったということなのだろう。
 

では次からは、今度は「買って保有してから思うこと」をポジティブ、ネガティブ両方の側面から触れてみたいと思う。