く4月、5月と大学野球遠征で見てきた選手を駆け足でまとめてみることにする。

4月4日~関甲信学生リーグ・2部@小山

1.竹石智弥(新潟医療福祉大・3年、新潟明訓) 投手 右左 182cm/72kg
創部3年目の新潟医療福祉大、このチームには来年のドラフト候補左腕・笠原がいるが、
開幕戦の先発は甲子園にも出場した竹石だった。
長身で手足が長く、なかなか切れのあるボールを持っている。真っ直ぐは常時130後半から最速142キロ、スライダーでも空振りもよくとっていた。
まだどの球種もしっかり制球できてるわけでなく、この日は2部相手に失点し、5回持たずに降板したが、
素材はいいと思うので今後の活躍に期待したいところ。次は笠原の方を見てみたいのが本音だけどw

4月12日~南東北大学野球@いわき

2.安部隆(山形大・4年、盛岡三) 投手兼遊撃手 右右 168cm/60kg
南東北リーグで一番印象に残った選手は実は彼だったりする。
高校時代は盛岡三のエースとして岩手県大会決勝まで進出し、当時2年の大谷がいた花巻東に敗れたとか。
大学に入ってからは1番投手として、登板しないときはショートを守って活躍しているらしい。
観戦した日は登板こそなかったが、1番打者として2度出塁し、いずれも余裕でセーフとなる盗塁を決め、なかなかのスピードを見せてくれた。この春は投手を務めながらも盗塁王に輝いたらしく、通算の盗塁成功率も9割を超えているようだ。
また、隙あれば次の塁を狙う貪欲な姿勢も見られ、非常に好感が持てる選手で、また南東北リーグを見る機会があれば注目したい。

・その他、南東北リーグ雑感
今回の南東北リーグで見たかったのは昨秋、東北予選で見た東北公益文科大の會田投手だったが、パンフレットから名前が消えており、退部したものと思われる。非常に残念。
また、140キロ級の真っ直ぐを投げるとと噂の右腕、福島大・加藤は確かにこの日は最速140キロを記録。気温も低く、本人も肩を気にしていて本調子ではなかったように思えた。
東日本国際大の注目のルーキー船迫もこの日は投げず、選手権で改めて見てみたい。

4月18日~福岡六大学野球@九州共立大

3.高良一輝(九産大・3年、興南) 投手 右右 174cm/65kg
昨秋は濱田(現中日)に次ぐ2番手ながら明治神宮大会予選で日本文理相手にノーノーやったり、本大会でもリリーフながら完璧な投球を見せた。
今回の観戦日も真っ直ぐの切れが素晴らしく、外角に決まったボールが面白いように空振りが取れ、あっという間に完封してしまった。
最速は145キロ、常時140キロ前後を記録。変化球はあまり使わずかなり余力を残していたようにも思え、より強敵を相手にしたときにどういう投球を見せてくれるのかが非常に楽しみ。

4.池田幸樹(九産大・4年、宮崎学園) 外野手 右右 187cm/80kg
九産大の4番センターを務める大型選手。パワフルなスイングから繰り出される鋭い打球に加え、なかなかのスピードも持っている。
この日はタイムリーに、快速活かして一塁からホームを陥れるなど、持ち味を存分に発揮した。大学選手権では仙台大・熊原との力勝負が楽しみ。

5.森松裕次郎(九産大・4年、延岡学園) 内野手 右右 178cm/70kg
昨年の明治神宮大会では5番を打ち、ホームランを放つなどしていたが、この日は9番ショートだった。打撃の調子は良くないようで、実際にヒットは見れなかった。
しかしながら、ショートの守備では相変わらず素晴らしいプレーを連発。特に三遊間のゴロの処理が光った。

6.緒方雄大(福岡教育大・4年、中津南)投手 右右 178cm/78kg
国立大の投手であるがかつては九州共立大の大瀬良(現カープ)と投げ合って勝利するなど、福岡の大学野球ファンの間ではよく知られている好投手。
真っ直ぐの最速は140キロを記録。立ち上がりに要所で甘くなり、3失点してしまったが以降は変化球、真っ直ぐを内外角に正確にコントロールできていた。
死球を与えてしまい満塁となった場面でも右打者の内角真っ直ぐ2球で追い込むなど、度胸のよさも垣間見られた。思っていた以上にいい投手だった。

7.笛田怜平(福岡工大・4年、鹿児島南)投手 右右 186cm/75kg
下級生の頃から福岡工大のエースとして全国にチームを導いてきた右腕も、入学以来最大のスランプに陥っているとか。
開幕戦の先発を外れ、この日はシーズン初先発。九州工大相手に1安打完封15奪三振の好投を見せてくれた。
真っ直ぐは平均135キロほどで最速は139キロしか出ずも、途中から半数以上がスライダーというピッチングに切り替えたのが上手くいった形。確かにスライダーのキレは良かった。
絶不超でもこれだけの結果を残せる素材としての魅力と、ドラフト上位候補としては真っ直ぐの迫力が物足りない部分と、両面の印象が残った。

8、河野勇磨(福岡工大・4年、延岡工)内野手 右右 176cm/75kg
広角にヒットを打ち分ける打撃センスが持ち味のショート、リーグベストナインの常連で、今季も受賞したようだ。観戦日は、外角の変化球を引きつけて、セカンドの頭の上を超えるライナー性のタイムリー三塁打を放った。
ショートの守備でもきびきびとした小気味良い動きを見せていた。

9、岡本拓也(九州共立大・4年、北大津)投手 右右 172cm/62kg
個人的にお気に入りの選手。北大津時代は甲子園にも出場し、横手、下手などいろいろな投法を駆使した器用なイメージもあったが今はほとんどがサイドスローになっている。
体は小さく、真っ直ぐの最速も140キロとスペックからはドラフトとは縁のないイメージを受けていたが実際見るとそんな数値で判断すべき投手ではないと感じた。
小さな体をダイナミックに使ったフォームに、思いっきりのいい腕の振り、バックネット裏で見ていて小ささは全く感じなかった。
加えて、右打者、左打者のコーナーにスライダー、シンカーを制球できる高い技術や、強打者相手に真っ直ぐ勝負にこだわったり、メンタルの強さも見せてくれた。
また、バント処理でのフィールディングは神だった。

4月19日~九州地区大学野球大分リーグ@別大興産スタジアム

10、ケムナ(久保)誠(日本文理大・2年、日南)投手 右右 190cm/82kg
大学野球界でも異彩を放っている日本文理大、この日はドラフト候補の田中も榮も見ることができなかったが、やはり面白い投手はほかにもいた。
細身で長い手足が特徴の日本文理らしい大型右腕、ハワイ出身らしい。
130キロ中盤から最速139キロのキレのいい真っ直ぐとスライダーがよかったが、そこは日本文理、即行で交代してしまったからよくわからなかった。
将来性ありそうだし、決勝トーナメントでも投げているらしく、頭角を徐々に現してきているだけに注目しておきたい。