こんにちは!

今日艇庫ではスイカの差し入れをいただきました!

昨日は牛タン、そして一昨日はカツオのたたきをいただきました!どれもめちゃめちゃおいしかったです!いつもありがとうございます!!

 

一橋大学ボート部の近況報告はこのくらいにして、本日は過去問解説世界史編に突入したいと思います~!

やぶが書いてくれました!それではどうぞ!!!

 

 

目次
はじめに
第一問の傾向
第二問の傾向
第三問の傾向
一橋大学の世界史対策法
論述問題にたいする姿勢
過去問は解かない
まとめ

 

はじめに

 

この記事では、一橋大学の世界史の特徴を踏まえて受験生がどのように勉強すれば世界史の点を伸ばし、合格点に近づくのかを紹介したいと思います!!

 

従って、昨年度の世界史の問題の解答・解説はこの記事では行いません。ですが、過去問の中にもし『この年の問題が分からない』といった問題があれば、是非この記事にコメントしてみてください!もしかしたら記事にするかもしれません。

 

一橋大学の世界史の特徴を端的に表すと『狭く深い第一問。広く細かい第二問。定番の第三問』です。それでは、各大問の特徴を、過去問と照らし合わせながら見ていきましょう。赤本の準備はできていますか?

第一問

第一問は中世後期を中心に中世ヨーロッパから出題されます。問題のパターンは大きく分けて5パターンあります。

 

カールの戴冠までの西ヨーロッパの形成。

中世都市の形成、発展、衰退。

11世紀の議会制度と政治的な衝突。

14~15世紀の危機の時代。

チェコや東欧などを含めた広いドイツ史。

 

大学からのメッセージなのか、過去問の類題が多いです。学習の際は過去問の前後の時間軸との関係や、同時代の他国の政治・社会・経済・文化と共に理解を深めることをおすすめします。

毎年史料が提示され、それと関連のある話題について作問されることが多いです。説得力のある解答をつくるには、『何故この史料が示されたのか』を考えると、解答の指針や内容についての発想が膨らみます。

第一問の出題範囲は一橋大学の伝統に大きく影響を受けており、十分に対策すれば8割強の問題は解けるようになります。

 

▼▼2013年の一橋世界史第1問

第二問

第二問は欧米近現代史を中心に様々な範囲から出題されます。

また、第一問と第二問は難易度のバランスをとる傾向があります。例えば、21年の第一問が『アヤ・ソフィアの歴史と意味』と易しめなのに反して、同年第二問は『ゲーテとレンブラントの時代と文化的なコントラスト』と難しめです。また22年の第一問が『中世ヨーロッパの皇帝と大学の関係』と大学のゼミで輪読を踏まえた上で答えるような難しい出題ですが、第二問は『ニューディール政策と小さな政府』と受験生がよく覚えていそうな内容から出題されています。

このように第一問と第二問のどちらかは必ず点が取れるようになっています。

 

出題の傾向としては4パターン。

米・仏・独を中心とした各国史・比較史

第二次英仏百年戦争やナポレオン戦争・ウィーン体制などの国際関係史

プロイセンやフランス等の近世の王政と政治

普遍思想とナショナリズムの社会・文化・経済での対立

 

各国史はフランスのように07年と13年のように連続しているものや、合衆国のように00年のベトナム戦争介入と03年の奴隷制廃止、08年アジア政策や22年のニューディール政策といったように、バラバラな国もあります。

 

比較史は15年の『EUとASEANの比較』や17年の『南北アメリカ大陸の奴隷解放・独立』があります。

国際関係史は核兵器の世界史における役割を問う05年や、グローバルな戦争を問う09年。他にも11年、19年、20年はフランスやイギリス等のヨーロッパ諸国の関係を問う問題です。

また一橋大学は絶対王政について、広範な知識を要求する大学です。

各国史ともかぶりますが、何故プロイセンの皇帝は教会を作ったのか問う16年やルイ16世について問う07年や、ピョートル1世の欧化政策を問う04年の問題は、同年の第一問が難しめな為解きたい問題に入ります。

 

最後に、一橋大学の世界史が難しいと言われるジャンルの問題が普遍思想とナショナリズムの対立です。

フランス革命で波及した人権とナショナリズムという互いに相反する理念。その二つがドイツでは文化(21年)や学問(18年)や法(99年)で対立するという事が問われています。理性万能の啓蒙思想により衰退したキリスト教に代わり、ギリシャ・ローマを精神的支柱にした「古典主義」。しかし、ギリシャ・ローマへの回帰を目指した風潮にも、反対する人が現れます。それがゲーテの初期のころの作品です。シュトゥルム・ウント・ドランク(疾風怒濤)は人間の自由な感情の発露を求め、激しい感情を表します。しかし後期のファウストでは古典的な調和の美を追究するようになります。この話は教科書では文化史で扱われており、多くの受験生が見過ごしていることが多いです。

 

余談ですが、21年の第二問は難問あるいは狂問として批判の対象に上げられるこが多いです。しかし、「文化史的特性」の差異を2~3行しか上げられなくても、社会的コンテクストの対比は様々な軸があるはずです。貿易体制、政治体制、文化を支えるパトロン、中欧集権か地方分権か等など。「ウァレリアヌス」とか「F・スコット・フィッツジェラルド」とか難単語を覚えたところで、こういう所ではどうにもならないのが一橋大学の世界史の嫌らしいところです。世界史の用語集では、こういったひらめきが物を言うところではどうにもなりません。おとなしく資料集の図版を見るのが一番効果的です。

 

総じて第二問は特化した対策が難しく、対策をするには日々の学習の中で各国の政治・経済・文化から、グローバルな巨視的な関係までの理解を深めることが重要です。

例えば産業革命先発国のイギリスと、後発国のドイツは同じような変化を見せる面もあれば、経済のように全く違う面もあります。何故このような差異が生まれたのかを考えることは重要です。

 

 

第三問

第三問は近世・近現代アジア史から出題されます。出題範囲が他2つと比べ狭い為、対策は効果的で、14年や18年では過去問の焼き直しのような問題が出題されたこともあります。学校では欧米史と比較してあまり重要視されないアジア史ですが、一橋大学の世界史では細かいところまで問われているので、受験生は過去問を通して深いところまで学習する事を推奨します。特に中国史は明清交代から日中戦争までの主要テーマを網羅的に理解できます。それでは実際に出題年とテーマをテーマの時代順に並べてみましょう。

 

14年の明清交代、11年の三藩の乱、06年の清の軍事・キリスト教、12年の19世紀前半の交易体制、15年の冊封体制の特徴と崩壊、07年と03年の洋務運動と変法運動の内容と経緯、07年の清朝の対外的危機、02年の北京議定書、08年の光緒新政、04年の新文化運動、19年国民党と共産党の関係、10年西安事件

見て分かるように、学習しさえすれば点の取りやすい問題が多く、学習範囲を大きく逸脱した悪問も13年の立憲派と革命派の論争ぐらいのものです。

 

字数は200字*2題や400字*1題の傾向があり、22年は自分で3題の文字数を見定める必要があります。200字*2題は字数が400字*1題と比べて少ないので、情報の取捨選択をして、細かい知識を切り捨てる判断力が必要です。

 

出題傾向は、16世紀以降の清と朝鮮と日本の関係を中心とした『王道』のアジア史を銀や陶磁器、アヘン等の商品を中心に学習することは不可欠です。またここ10年では作問の対照となるテーマや時代が多様化しています。

例えば16年と21年そして22年の戦後中国・朝鮮史が17年の11~13世紀の泉州を取り巻く国際関係が出題されました。

 

朝鮮史については19世紀前半で分ける事ができます。それ以前では朝鮮から見た中国を意識した出題が多いです。01年、13年や14年は政情が不安定になった中華にたいする朝鮮の外交や内政の変化が鍵になっています。未だに出題されていないテーマとしては、百済・新羅・高句麗と中国の関係史や元明交代、李氏朝鮮の建国、渤海の歴史的位置づけです。対策としては、資料集で朝鮮史一覧のページに付箋を貼っていつでも確認できるようにすることをおすすめします。

 

19世紀後半の朝鮮史のテーマは「日本を含めた列強の進出とアジア諸地域での抵抗」。いわゆるウエスタンインパクトについてです。甲申政変や日本の韓国併合、三・一独立運動、皇民化政策にたいする理解は必須事項です。

 

以上が一橋大学の世界史の傾向の分析です。いかがでしょうか?おそらくこれを読んだ受験生は『やることが多すぎて、対策のしようがない』と感じたのではないでしょうか?

つぎの章では、過去問との向き合い方を解説しようと思います。

 

 

 

一橋大学の世界史対策法

一橋大学の世界史対策法を知る以前に世界史の過去問を解くべきでは無い状況というものがあります。

まずもっての前提条件は共通テストの世界史が8割取れることです。80%以上を安定してとれないと、知識が系統立てて理解することができないので過去問対策のしようがありません。

その次に数学と英語に大きな穴が無い事です。国立大学の受験において英数の比率は大きく、それは一橋大学も例外ではありません。

英数が出願できる大学を決め国社が合否を分けると言いますから、英数が不安定ならそちらに力を入れるべきです。ですが中には『英数は悪くないけど、良くもない』という方もいると思います。そういった方は後述する勉強法を試してみてください。英数も世界史の実力も伸びるはずです。

普段の勉強ではアウトプット7インプット3で

論述試験において知識を詰め込むことは無謀です。科挙のように何万文字もの歴史の文脈をインプットするのは文字通り人間業では無いですし、それでは論述試験に合格できないことは『東ロボ君』が実証済みです。何でも完璧にしてから次に進むのでは無く、自分が操作できる程度に理解された知識を増やすこと意識しましょう。その時代の全体を見て、そこにおける事象の意味を理解すれば十分です。

 

しかし、事象の意義や意味はこれの例外です。暗記しましょう。なぜならこれには想定解が存在し、試験時間中に思いつくものでは無いからです。もちろん全ての事件について覚える必要はありません。カールの戴冠やアヘン戦争といった頻出のものから手をつければ良いです。

 

論述問題を解く姿勢

まずは教科書と資料集、問題集、過去問を用意しましょう。問題集はすでに使っているもので十分です。『手元に無いよ!』って人は過去記事のおすすめ参考書紹介を参考にして選んでください。

論述問題を解く時は他の勉強と比べメリハリをつける必要があります。

最初に押さえて欲しい事は『試験勉強は徹底的に効率主義で取り組む』ということです。つまり採点する側が求めることに対して、ピンポイントで答えることです。受験生はいざ問題を解こうとすると自分の知っている知識ばかり書いてしまいます。例えば面接で『ここまで、どうやって来たの?』と聞かれれば、意図としては『業務に支障がでる距離か』を『分かりやすく伝えられる』かが問われているわけです。しかし自分の知っていることばかり答えると、良く覚えているので長々と細かい情報を質問者に答えてしまいます。

 

これは試験問題にも言えます。問題のモチーフとなっている事件や事象について詳しく書いて、設問の尋ねていることを無視してしまうのです。嘘のような話ですが、Webに掲載されている予備校の解答速報の中にもそういった解答が散見されます。比較の軸がそろっていなかったり、設問で問われていることを述べていなかったりするのは、採点ポイントを確実に落としています。

ですからまんべんなく答えるのでは無く、「出題された質問」から優先して解答に盛り込みましょう。

 

過去問に取りかかる前に

基本的に青本や赤本には必ず傾向と対策というページがあります。この記事ではカバーできない所まで一橋大学の世界史の分析が書いてあるので読んでください。過去問を20年近く解いた予備校や高校の講師が研究に研究を重ねた成果のエッセンスなので、大事なことがたくさん載っています。

 

過去問は解いてはいけない

過去問は解かない

これは一番言いたいことなのですが、過去問は共通テストが始まるまで過去問を実際の時間で解くことはしないでください。おそらく一橋大学みたいに過去問対策が有効な大学は10年~20年近く解くと思いますがそれにかける20~40時間や+αの復習時間が無駄になるからです。無駄になる理由は二つあります。

 

一つは過去問を解いても実力なんて付かないからです。普通は問題文を読んでも、すぐに解けるものではありません。一橋大学の冠がついた模試では平均点が満点の2割を切ることが珍しくありません。一橋大学の世界史の難易度はそんな模試に負けず劣らずですから、いくら2月まで受験生が勉強したところで8割9割も取れません。良く勉強した学生でも良いとこ7~8割でしょう。つまり過去問にこれから手をつける人は解いた所で歯がたちませんし、解けないので実力は付きません。

 

2つ目の理由は、変な癖が付くからです。400文字の解答制作を行う中で、我流の読みにくい文章を書いてしまうことは往々にしてあります。たちの悪いことに、自覚しにくい問題ですから解けば解くほど悪化します。それではせっかく解いても逆効果です。

 

おすすめの過去問の使い方は、問題を読んだら、メモ上に聞かれていることを書きだし、解答例を読む事です。どこの記述がどこの質問に対応しているのかを括弧で分けて視覚的に理解しましょう。次に、解説を読み知識を補強します。そうした上で、今読んだ設問に対応する部分の問題を問題集から抜き出して解きましょう。例えば13年の第一問を読んだら中世の農村や都市、十字軍の問題を解くのです。もしも対応する問題が無いなら、一問一答で問題文を隠して答えから質問文を推測することをおすすめします。こうすることで一つの単語に多くの情報をつなげる練習になります。

 

そして最後に過去問にもどります。この時あなたはこの問題に関する歴史の知識を多く蓄えている状態にあります。それを残すためにノートを作りましょう。忘れても今度はノートを見返せれば思い出せるはずです。

年度/問題番号/学習した日付を左上に記入し、中央に10字ぐらいで問題の核心をタイトルにしましょう。

そうしたらノートに解答の要点となるポイントを箇条書きで順序立てて書きましょう。①②……おそらく16~18項目くらいがリスト化されるはずです。余白は学習のなかで覚えられなかった単語や、理解できなかった事象を書きましょう。講師に質問するときに役立ちますし、次の課題の指針になります。

 

まとめ

まとめ

以上が一橋大学の世界史の傾向と対策についてです。一橋大学の世界史は学習指導要領を超えた問題を出す為、様々な所で『解けなくて良い』と言われています。ですが、みんな解けないなら、点差は付かず受験者を選別する機能が無いことになります。そんなテストは役割を果たしていないわけですから、どこかしらのタイミングで改定されるはずです。

しかし実際は文字数こそ変われど、内容は難しい問題のままです。

せっかく点が取れるのに、対策を欠いたがためにみすみす逃すのはもったいない!

たしかに知らない話をいきなり解くのは大変です。しかし『どこかでやった』話が出題されているはずだと思えば、案外手が動くものです。

完璧な解答を目指す必要はありません、質問に答えた解答さえ書ければ良いのです。

 

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やぶありがと~!なんか壮大だったな~笑

過去3回にわたって行った過去問解説編は今回でラストになります!国語と英語に関してもやってほしいという声が上がれば記事にしますのでtwitterの質問箱かこちらのコメント欄でその旨書いてください~!

 

お次は元気で笑顔がはじける笑顔のありさちゃんによるKODAIRA祭紹介の第2弾です!KODA委員じゃない視点から書いてもらいます!お楽しみに~~!!!