お久しぶりです4Hヤブグチです。

 

まねぶろぐでも1年生の紹介が終わり、引退直前の4年生が更新します。

 

インカレまで残すところ8日という事で、今までの振り返りを中心に書きます。

 

次回は石羽さんです。後輩思いで、商東やマネ長、メンタル班の各所で彼女の優しさの痕跡が見受けられます。忙しい時期にも関わらず、端艇部の仕事も疎かにしない真面目さが推せるポイントです。

 

さて、自分はこの部活を振り返ると、周囲の理解に支えられた4年間だったと感じます。新入生歓迎委員会への派遣や1年間の交換留学をした自分が、今でも戸田にいるのは同期を含め周りが温かく迎えてくれたからです。

この場を借りて、留学を快く送り出してくれた部員に感謝の意を表します。

体育会系の団体には、留学についてはマネージャーであっても退部する事を求める団体があり、交換留学が決まったと報告するのは気が進まなかったのですが、打ち明けると先輩を含め同期のみなが応援してくれました。この体験を経て、部がより一層好きになりましたし、「挑戦」という言葉を共に信じてみたいと思うようになりました。

 

HUBCのマネージャーとしての4年間を振り返ると、全体を見渡して行動する事の難しさを痛切に感じる4年間だったと思います。この困難を挙げた理由は2点、予見不可能性とサイロ化です。

前提として、自分はマネージャーが何かは定義できても、マネージャーの仕事は何かを定義する事は不可能に近く、コーチ陣あるいは代表幹事によって天下り的に示すしかないように考えています。それはマネージャーとは部の戦略的なユニットであり、部全体から独立する事ができないからです。故にマネージャーはコーチ陣からの直接的な上下関係が無くても、自発的に部員や部活への改善の行動を取るわけです。

そして、部の強さを構成するものは大別すると3つで、漕手・マネージャー・資本です。資本には、艇や艇庫だけでなく支援頂いている四神会員の皆様も入ります。マネージャーはこの資本と漕手に影響を与えてパフォーマンスを向上させます。

そのため、マネージャーは常にサポートをする範囲の拡大を画策し、増えた仕事を人員増以外の方法で対処するために仕事の能率化・省人化を図ります。例えば栄養係では、かつて手入力だった買い出しリストの作成が高石によって、関数で自動的に作成されるようになりました。ひょっとすると、近い将来、AIによってメニュー立て自体が過去のデータを学習して作られるようになるのかもしれません。

このようにミクロなマネージャーとしての行動は進むものの、マクロなものはより困難になります。それは、時間軸が長くなることで漕手とマネージャーの人員が増減することで導入が見送られる事や、需要があると思って始めた施策が期待できなくなるという事です。

特に漕手の人数が変わる事で必要になる施策が変わり、マネージャーの人数が変化する事で実施可能な施策が変わる事は、この計画を簡単にご破算にします。資本と比べ、部員の変動はより大きく変わる事が、この予見をより一層難しくします。特に部員数がコロナ移行は回復せず、100人もいないので、前者の課題はより一層現れています。

これらの問題は1年以上かかるプロジェクトを立ち上げるのを困難にし、短期的で成果の見えにくいタスクしかできないようになります。1~2年次はこの問題が大きく、省人化をしないと仕事が回らないけど、その仕組みを作る時間も元気もないという事がありました。

 

こうしたリソース的な課題の他に、縦割りによる部全体としての行動指針から演繹して活動に落とし込む事の難しさが挙げられます。漕手や監督・コーチ陣から方向性や必要な仕事の共有が明示的ではなく、ヒアリングや会話からミーティングの俎上に上がるようになっているのは非連続的です。自主性を重視していると考えれば、聞こえは良いですが、必要な情報も無い中での自主性に根ざした活動というものは、徒労に終わるリスクが高いものです。

また、仕事が機能と業務対象で渾然としており、漕手へのアプローチもコンディショニング班とクルー運営の2方面が別々にアプローチをしています。ここも、漕手側の要望やコーチ陣が理想とする運営体制を基軸にマネ組織を変化させていく必要があるでしょう。クルマネの運用は、漕手の意識している事やローイングの知識をどのように補充していくのかが課題で、漕手からのアプローチや勉強会が重要な気がします。

「通い」マネはこのキャッチアップが難しく、少し艇庫に来る機会が無いだけでトレーニングのトレンドが変わっていて、話がかみ合わないという事が何回かありました。

 

最期に、「良いな」と思った新規取組を挙げたいと思います。3月にマネ組織としてマネが“どうなりたいのか”を書く機会があった事です。個人レベルでの成りたいマネ像や、そのための目標設定を個人が設定していました。

時差の関係で参加はできなかったのですが、後に読み返すとマネの思いがひしひしと伝わり、病院で感動していた記憶があります。

今シーズンでの活動を振り返り、どんな事をしたいのかを思案する事で、来シーズンは自発的な提案を漕手にできるのではないかと期待しています。

 

さて、長々と書きましたが、言いたいことは『マネも漕手ももっと内心を話そう』という事です。部活の事について話す事で新歓の時も幾分かマシな部活紹介が出来ますし、会話を通じて相互理解をする事で、抱えている意識を全体に共有するのも心理的なハードルが下がるでしょう。

 

マネージャーは別に「お手伝いさん」ではないです。一緒に部を運営する、がむしょらな部員です。漕手も「日本一を目指す」というビジョンや方向性がマネージャーと揃っていないと感じたら、お互いの持っている「日本一」のイメージを共有した方が、悲しい衝突、不要な口論、立場が原因の視野狭窄を回避できるはずです。

 

インカレ前後はどうしても自分のローイング生活ひいては大学生活を否応なしに見直すタイミングが来ます。翻って、「ああしたい」とか「こんな部活が良い」とか思いが出てくる時期です。

 

そんな重要な時に同期と真剣に話せなかったことが、私の一番大きな後悔です。

だからこそ、その思いを行動に繋げて欲しいと思います。

 

4H ヤブグチ