第12回です。ご無沙汰しております。

 

つい昨日、2020シーズンの初レースを終えました。正確には東日本新人があったから2回目か。

ずっと雨が降ってたけれども、心の中には時折晴れ間があったかな。それと改めて改めて思ったけど、レースは観るもんですね。正々堂々と自転車で伴走できる日が来るのが待ち遠しいです。

1年以上もレースしてないと身体がビックリしそう。ちなみにボクも1年ぶりに雨に降られながら運動(ピットと艇庫を何往復か)して、身体がビックリしたのでしょう、最終日の朝の全体集合を寝過ごしました。すいませんでした。東棟でノム山部長に「詫びろ詫びろわびろワビロ」とこっぴどく叱られたのでご勘弁ください。

そして次のレースまで10日ほど。「チーム一橋」を醸成していけるといいね。

ボクはビールとか日本酒とか、いわゆる醸造酒が好きで、その醸造酒にとっても完成前の10日っていうのは、味や香りが変わって美味しくも不味くもなる、そんなめちゃくちゃ肝心な期間だとか。まあ余談というか、作り話なんだけどね。信じないか信じるかはあなた次第。

 

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橋の対抗?対校?M8+は全日本大学選手権大会で一度も勝ったことがないらしい。

M2-は僕が知る限りインカレで3度優勝している。

 

どの年もトップクルーはM8+なのに、セカンドもしくはサードクルーだったM2-が勝っている。

なんでだろう。なんでだろう。怖いなあ。不思議だなあ。

 

 

ざっくり言うとM8+っていうのは、一番人数が乗ってて、一番スピードが出て、チームの顔で、部員の憧れで、花形種目で、おじいちゃんたちの期待も一番背負ってて、っていう。

でも人数が多いといっても9人しか乗ってなくて、速いといっても自転車よりは遅くて、なかなか思った通りに動かなくって、一つになるのが難しくて、なぜかエイトっていう名前で、っていう。

 

 

引退して、obになり損ねてから思った。うちのM8+が勝てないのはちょっと重すぎんじゃないか。

量りに乗せれば無機質な9と6の2文字か光っている。

でも肩に担いだ途端に、もしくは水上に浮かべた途端に、200にも1000にも∞にもなっている。多分大学生9人じゃ背負いきれない想さ。

 

9人以上が乗っていて定員を大幅にオーバーしているか、そもそも実は100人分のシートがあるのか。それはわからないけど。

 

仲間の応援が、先輩の誇りが、後輩の期待が、自分自身の情熱が、ヘッドコーチの「できる」が、僕の良すぎる人柄が、同期との絆が、これまでの酸い甘いが、積み重ねてきた努力が、4年間が、それらみんなが足枷か、錨か、そんな類の何かにきっと化けているんだ。

 

モチベーションビデオには、応援部さんのエールには、得も言われぬ気持ちになる。

「レース前にあんなの見せんなよバカ」って口が裂けても言わないけど。

マネージャーに胸ぐら掴まれてケツ引っ叩かれて往復ビンタされて羽交い絞めにされそう。

リーダーの子にキャメルクラッチかまされて、チアの子にお説教されそう。

 

でも個人的には、疲れてるときとか、なんかもっと最適なタイミングで、じっくりゆっくり味わいたいのよ。それくらい素敵で、カッコよくて、完成されてて、得も言われぬエモさがあって、心に響いてくる。

 

 

この想さから逃げたら「一橋」じゃなくなる。「一橋らしさ」が消える。

某大学みたいにレース前の応援をやらないとかは想像つかない。

日本一愛校心のある応援部さんがバックについてくれてもいる。

どの大学よりもどの部活よりもobog組織は大きい分、期待もデカい。

どのチームよりも練習量が多い分、苦しいこともキツイことも経験する。

どのチームよりも大所帯だからこそ、人間の色んな感情が積もりに積もる。

 

M8+をはじめ好きな艇に、もしくは応援したい人に想さを掛けるのは悪いことじゃない。けど想さの掛けっぱなし、誰かにもたれかかり続けるのは芳しくない。

 

まずは前提として、現役の選手マネージャー一人ひとりが重さに耐える知恵と体力と技術を身につけなきゃいけない。そのための日々の寮生活だ。

そしてその上で、一人ひとりが責任を持って想さを背負う。当事者意識とはよく言ったものだ。この言葉はわかりにくくてあんまり好きくないけども。

一人ひとりがみんなを想い合って、その想いを一人ひとりが背負い合う。

ちょっと背負いすぎている者は誰かに任せればいいし、余力ある者は困ってる者を助けてあげる。

これを可能にするのが「こいつに甘えて頼ってもいいかな」、「この人の力になって助けてあげたいな」、っていう双方向の信頼感なんだろうし、それが一橋らしさであってほしい。

 

理系のヤツがいたら、「(1+1+…+1+1)÷100=1なんだから、そんな面倒くさいことしないで、各々が自分のことだけ思ってりゃいいじゃん、端から1は1のままでいい」って反論されそうだけど、残念でした、ここは文系の最高学府、一橋大学でした。

 

宇宙船地球号よろしく、一橋船四神号を、艇庫にいるメンバーだけじゃなくて、週3で戸田に来る新入部員も、自宅で活動しているマネ―ジャーも、東棟にいる僕も、コーチも、obog会もなんとか手を取り合って、みんなで想さを分かち合って漕げる。

 

 

そんな日が来るといいし、そんな日の延長戦上にM8+の優勝がきっとあるんだろう。というかあってほしい。

 

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最近、同期がアプリで可愛い女の子数人と会っているんだとか。高校の先輩がアプリで結婚したんだとか。人工的な出会いって気がして「ウっ」てなる。あと純粋にふざけんじゃねえって思う。けど、客観的に見れば、便利なことは間違いないんだろう。

というわけで、そろそろ僕もアプリを始めようと思います。Short NoteかnoteかLINE BLOGかどれにしようかは悩み中ですが、早めに決断しようと思います。水面下で進めてたマネブログ乗っ取り計画がバレてしまったので。

 

個人的にもコーチの間だけって決めてたし、それと書きたいことも無くなってきたし、辞めるのにはちょうどいいタイミングかなあと思います。

1年間ほどですが、ご愛読ありがとうございました。

 

僕から以上。温かくしていろよ。

 

学生コーチ 高崎善貴