今年のタックルはこれだ!! | 平戸のイカ人 

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人も魚も一期一会

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スペックよりも大事な何か

さて、竿は魚が釣れればいいというだけのものではない。ガイドフレームや使用カーボンt数、価格等のスペックのほかに、テーパー、パワーなどは、ロッドを選択する上で重要な項目であることにはちがいない。
一方で、物語もロッドの大事な構成要素のひとつである。どんなにハイスペックなロッドでも、感性に訴える何かがないと腕の一部にはなりえないことがある。山鹿ブランクスのロッドはゼロからラストまで日本人が作っている。それだけでも、十分な物語がある。職人の魂が宿った山鹿ブランクスの竿。日本人のひとりとして、このロッドの存在を無視することができようか




ブランク自社生産という分岐点

山鹿ブランクスの仕事は、サンディング、塗装、ガイドの装着、ブランド名の印刷、グリップの組み立てなどに留まらない。もっとも注目すべきは、ブランクの自社生産。ショア、オフショア問わず、ルアーロッドはずいぶんと出荷している。当然、あまり知られていないが、実はシーバスやジギングで人気のあんなロッドも、元をたどればこの工場から誕生したものだったりする。
カーボンシートを切り、マンドレルに巻いて、釜で焼く。ロッド作りにおいては、この作業がネックになる。設備が大掛かりすぎるうえ、専門技術であるため、新規参入するのは難しい。まして数百、数千程度しか販売されない商品をわざわざ自社でつくっていては、初期投資を回収する前につぶれてしまうことだろう。だからロッドメーカーの数あれど、すべてを自社生産しているメーカーはごく一部にすぎない。大抵はOEM、いわゆる外注である。その外注先のひとつが山鹿ブランクスになる。これまで、山鹿ブランクスは裏方にまわることで業界を下支えしてきた。
その山鹿ブランクスが表舞台へ踊り出ることになった。





日本の職人が負けるわけにはいかない

新しく自社ブランドを立ち上げようと思ったきっかけは、いくつもの運命に導かれた結果だろう。まず、世界的バブルによって跳ね上がった原油価格が、コーティング剤や塗料などの原料価格を2倍以上に押し上げた。次に、環境関連の条例が有機溶剤の使用量を大幅に制限した。そして、100年に一度の大不況が、もともとダウントレンドだった釣り業界を直撃した。仕上げの下請けでは、あまりに不安定。そういった本音の事情があるのはたしかだ。しかし、それだけならメーカーを立ち上げようとは思わなかったかもしれない。
職人としてのプライドが最後の勇気を奮い立たせた。

山鹿ブランクスの代表を務める中宮は、大手釣り具メーカーを退職し、ちがう業界をこころざしたこともあったという。だが、ロッドメーカーを立ち上げるという形で、この世界に戻ってきた。「モノ作りが好きでねぇ。サオ作りがおもしろくて仕方ない」
コワモテの顔をくしゃくくしゃにして笑う顔が印象的だった。そんな中宮にとって、おもしろくないことがある。純国産のロッドの縮小である。

メイドインジャパン品質

昨年、大小を問わず海外産のロッドは増えた。それが悪いわけではない。いまや、中国、韓国、台湾のカーボン加工技術は世界でもトップクラスである。台湾にいたっては、カーボンを国の事業と定め、メーカー間で技術を提供しあっているという話も聞く。
釣りに例えれば、ダイワとシマノがリールの技術を交換しあっているということになる。それがどれほどのことか、考えるだけでも恐ろしい。ちなみに、自転車フレームの場合、台湾のカーボン技術はアメリカと同等で、ヨーロッパより高い、といって否定する人は少ないだろう。もはやメイドインジャパンが世界のナンバーワンであるといい切る自信は、記者にはない。
「それでも。釣り竿の場合はあてはまらない、といえますね。不良品率や製品管理は、まだまだです。僕らが触ればすぐにわかりますよ。それに、山鹿ブランクス独自の巻き方や焼き方も含めて、アドバンテージはコチラにあります。」
20人を超える従業員を抱えながら、なお、作業着を着て現場を駆け回る代表の中宮が息巻く。この男、生粋の職人である。
「わずかなひずみが折れにつながる世界です。技術レベルでも負けるつもりはないですが、何よりも経験がモノをいう世界ですから」
具体的な優位の例を上げることはしない。本物のアングラーなら、触れればわかるだろう。職人の目がそう語っていた。日本人が使うものは日本人が作り出す。それが日本に生きる職人の意地。

あとは、アングラーが判断してくれれば結構だ、と。




これはHP抜粋です

とりあえずまだ全然使ってないので何とも言えませんが

今年はこれでいきますメラメラ