紀元前4世紀

医学の父ヒポクラテスは医の神に誓いをたてた

 

それが,無危害の原則,恩恵の原則,正義の原則,守秘義務の原則

 

生命・健康保護や患者のプライバシーの保護など現代医療の根幹になっている

 

 

 

これまでの医学研究の流れ ーベルナールの実験学序説ー

 

ベルナールは1800年代に活躍した医学研究者で,近代医学研究の基盤となる実験医学序説を提唱しています

実験医学序説は経験ではなく,実験によって証明された科学的な因果関係を基礎として病理学や治療学を構築するというものです

 

実験医学が生まれるまでは,観察医学が中心で,病態を観察して結末を予測するというものでした。観察のみで何の干渉もなかったため自然治癒を待つしかありませんでした。

実験医学では,病気に直接干渉し自然現象を変えようとしたものです。治療法は行き当たりばったりの経験を積み重ねていくだけではなく,生物の法則を理解して行うというものでした。そのためには生物の実験的な探求が必要でした。

実験医学は生理学,病理学,治療学の3部門から構成されていて,これらに基づいて研究を重ねていったのがベルナールです。

 

ただ,ベルナールは生気論に批判的で,『すべての自然現象は物理化学的な条件のもとで,発現すると考えており,物理化学的条件が変化すれば現象も変化する』と考えていたようです。

 

この序説のもとで行われたこともあり医学研究は大幅に進歩しますが,その代償として非人道的な実験が繰り返されました

 

 

ベルナールの実験医学序説が書かれてから約100年後にヘルシンキで採択されたのが,ヘルシンキ宣言です

 

ヘルシンキ宣言はナチスの人体実験の反省により生じたニュルンベルク綱領を受けて1964年に採択されます。

 

ヘルシンキ宣言により

医学研究は,単に化学的な観点からだけでなく,倫理的な観点からの妥当性が必要とされました。

 

 

ちなみに,ヘルシンキ宣言の正式名称は『ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則』だそうです。

 

ヘルシンキ宣言の重要な基本原則は以下のものだそうです

 

1患者・被験者複利の尊重

 

2本人の自発的・自由意志による参加

 

3インフォームドコンセントの取得

 

4倫理審査委員会の存在

 

5常識的な医学研究であること

 

だそうです

 

 

 

 

個人的に倫理ってつまらないと思ってたけど,歴史を紐解きながら学んでいくと感慨深いものがありました

 

簡単ですが今日はここまで