某とかやいひし世捨人の、
「この世のほだし持たらぬ身に、
ただ、空の名残のみぞ惜しき」と言ひしこそ、
まことに、さも覚えぬべけれ。
某といった世捨て人が、
「現世に縛られるものなど何も持たない我が身であるが、
終わり行く季節の、
その余韻が薄れて行く姿こそが惜しまれるのだ」
と残したこの言葉は、
なるほど的を得ているように思われる。
【徒然草】第二十段で謳われている文です。
別れと出逢い、この季節。
不可抗力で、離れてしまう。
これがまとめられた1330年頃。
今ほど世の安定は望めず、長生きも出来ない。
そんな時代にこそ、顕著に感じれたこと。
【徒然草】は【無常観】が主な主題です。
変わらない関係、環境など無い。
全てのものは変革を向かえ、朽ちる。
永久の物等無い。
其れを喜ぶも、悲しむも、怨むも、憎むも、自分自身。
情緒、趣を重んじる日本人ならではの捉え方。
いくら身辺がハイテクで、クオリティが上がっても。
根本的にはなんら昔と変わらない。
繊細な心の持ち主なのだと。
其れこそ、日本人の【誇り】に為りえるものだと思います。
礼節を重んじ、自他を尊重する。
私は、日本人に生まれてよかったと思います。
喩えこの身朽ちても、守りたいもの。
其れは人であったり、物であったりする訳ですけれども。
私には大切な方は未だいない。
だから今は、【日本人であること】を守りたい。
愛国主義者とはまた意味が違うけれど。
【日本】じゃない、【日本人】を。
古くから守られてきた、日本独自の文化を。
変に高いプライドではなく、
あくまで自然な、大切に出来るプライドを。
心の中に、持ち続けていたい・・・。