言葉よりも強い痛み。
言葉よりも強い沈黙。
私の言葉よりも強い、あなたの言葉。
私の言葉を閉じ込める、あなたの言葉。
私の中には、涙の余地もない、言葉の余地もない、
痛みと沈黙と、名前を呼ぶこともできない、名前も顔もない記憶が、犇いている。
引き裂かれた言葉の狭間に、落ちる。
・
父のこと、母のこと、兄のこと、姉のこと、私のこと、
イジメたこと、イジメられたこと、
与えられた痛み、自分から欲した痛み、
まるで、そんなもの、何も存在していないように、
そこには、誰もいないかのように、
そこには沈黙と痛み以外、なにもない。
・
人に傷つけられるほど、人を傷つけるほど、私が私でなくなっていった。
痛みが痛みでなくなっていった。
それが、「破壊すること」 「喪うこと」だと知った。
それが、「全てを破壊し、全てを喪う」ことが、
痛みも、望みも、全てが消えることが、何もない私に望める唯一の希望だと知った。
言葉になんて、できない。しない。
今とこれからをつなげて、始まりを告げる言葉など。
ここは、もう、ずっと終わった場所。
黄昏を見つめる場所
きっと私は、壊し続けて、捨て続けて、喪い続けて、
後戻りできる一線を越えて、ずっと遠くにいってしまったんだ。