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8月24日、誕生日だった。



二十○年前に私が生まれた日は、台風が上陸して電車が止まって、


父母の田舎の長野から上京した祖母が、


荒れ狂う雨と風の中で電車に閉じ込められ、立ち往生したのだそうだ。



母から聞いただけの話だけど、祖母は、私の誕生に間に合ったのだろうか。

私の誕生のときの写真には、一枚も祖母の写真はない。


まるで、そこに祖母は最初からいなかったように。



私の命は、荒れ狂う風と雨にさらわれ、


私の命を待ち望んだ人の手から、押し流されてしまったのだろう、きっと。



20歳の誕生日のとき、「死の瞬間」「人生は廻る輪のように」などの著者、


エリザベス・キューブラー・ロス氏の訃報を聞いた。





誕生日の日、私は、いつもどこかで、死と不在を悼んでいる。


誰かの死、私の死と不在を悼んで、いつも何かを葬送している。


毎日繰り返される一日の葬送、誕生と死を繰り返す、一日の黄昏を見つめるように。