カー、カー…
カラスが鳴いている。
夜中なのに鳴いている。
こんな時間にどうして?
ギャー、ギャー、ギャギャギャーっ…
カラスが数羽、激しく叫んでいる。
喧嘩か?
にしては、断末魔のような切迫感のある鳴き声。
遠くで聞いていても、えも言われぬ恐怖を覚える。
明るくなるまで気になって眠れなかった。
翌朝、聞こえてきたほうの辺りを探してみると、カラスが10羽ほど無惨極まりない姿になっていた。
あの凄絶な喧騒が耳に蘇り、この惨状とともに一種のトラウマとなって脳裏に刻まれた。
もしかしてヤツの仕業?
最近、この界隈で広まっている狂猫ニャギラの都市伝説。
夜な夜な、動物だろうが人間だろうが食い散らかすだけ食い散らかして彷徨するという。
町に出没するようになった熊を食ってくれもするだろうが、人間も襲うのでは困る。
もちろん、場所によっては狂猫ではなく狂熊に置き換わった都市伝説に変わっていたりもするだろう。
ただ、実際に熊で困っている地域となると話は別、こんなショボい都市伝説など出回ることすらなかろう。