ディアベリ変奏曲の第11変奏。
「どうしてこの部分が?」と不思議に思う人もいるだろうが、自分でもよく分からない。
ほかの変奏と比べて印象的でもなく、すっと聞き流してしまいそうなセクション。第10変奏と第12変奏をつなぐインテルメッツォというような感じで、箸休め・指休めにちょうどいい仕立てになっている。
ただ、同じような感じの変奏は他にもあるから、どうしてこの第11なのか、ますます分からない。
かといって「だからこそ、かえって頭から離れない」ということでもない。
もしかしたら、この部分をループさせたのをBGMに流しながら催眠術を掛けられたのかもしない。
それどころか、主題や第1変奏から第10変奏までの間に、サブリミナル効果のような仕掛けが織り込まれていたのかもしれない。そしてまた第12変奏以降にもその効果を高めるための技法が駆使されていたりとか。
誰でもすぐ気づくところでいえば、2つ前の第9変奏とほぼ同じ音型をモチーフにしていること。しかも、ともにディアベリの主題の冒頭と同じ音を使っている。ただ、第9はト短調、第11はト長調で入る違いはある。
印象としては第11より第9のほうが強いため、耳に残るのは第9変奏。第11はその印象を第10を跨ぎつつ残響のように脳裏に定着させる役割を担っているように思えたりする。
第11変奏はいわば影。第9を表に立て、みずからは裏へ。そういう意味でサブリミナル的に「頭から離れない」状態にあるのか…。
んなこたぁないか。
