かたくて開けられないビンのフタ。
あきらめて脇に置いた。
しばらくしたら再挑戦するつもりではいた。
ショッピングモールからの帰り道、道端のベンチでスマホをチェックして、さっきまで温かかったチャイを飲み干した。
すると、どこかの柴犬がやってきて開けようとしてくれる。
くわえて噛んだり、鼻でつついて転がしたり、足でカリカリやったりすること数分間。
中に入っているのは木彫りの小さな犬。
どうにか助け出そうと懸命になっているようだ。
ビンごとこの柴犬にあげてもいいが、中から出してやらないと納得してくれない。
あたりを見回し、手ごろな“鈍器”を探した。
握りこぶし大の石と目があった。
ガン、ガン、ガチャン。
はい。
ワンッ。
柴犬は木彫りの犬を甘がみして去っていった。
