[前回(5月19日15時頃)の続き]


そんなある日、どういうワケか母親が唐突にアメをくれた。アメのオバチャンがくれたこともある、有名メーカーのアメだった。

それは、母親がアメのオバチャンのことを知っているのだとこの頃の自分が思い込むには十分明白な証拠だった。

「アメのオバチャン、どっかに行っちゃったの?」

「誰、アメのオバチャンって。お隣の○○さんにアメをもらったりしたの?」

「ちがう」

本当のことを言うと、とんでもないことになる気がしてそれ以上なにも言えない。言うと怒られるとか、そういう次元のことではないと直感して黙秘を決め込んだ。

「アメのオバチャンって、どういうことなの!」

ほっぺをつねられてもビンタされても我慢した。話してしまうと、もっともっと大変なことになる。この母親も父も、アメのオバチャンも友だちも、みんな不幸になっちゃう。それだったら、いくらでも怒られてやる。

(次回へ続く)



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