石破首相が初当選議員に10万円分の商品券をポケットマネーから渡していたという話、ほとんど同じ構図のことが自分にも経験がある。
……1年の2学期、なぜか周りから推薦されて別のグループ推薦候補者を破ってクラス委員に当選してしまったとき、生徒会室で生徒会長から購買のカツサンドの無料引換券10枚を手渡された。
ほかの生徒会役員がいなかったから、ちょっとおかしいなという疑念が頭をよぎりはしたが、カツサンド10食という絶大な魔力で呆気なく雲散霧消。翌日から10日間は完全にカツサンドの口になっているから、あとから返せと言われても困る。のんびりと10日間を過ごしてはいられず、1日2食分を使って5日で使いきってしまった。
カツサンドを食べきってしまったあと、あの疑念が再びよぎった。生徒会長はどうして引換券をあんなに用意できたのか? 自分の小遣い? 生徒会費の横領? あるいは生徒会規則に「本校の1年生でクラス委員となった者にはカツサンド10食無料の報奨を与える。その費用は生徒会費から支出するものとする」などという条項があったりするのか?
現首相の事案はポケットマネーとのことだが、生徒会長のケースは小遣いとは考えがたい。
学年末の生徒総会で発表された生徒会費の収支報告では問題なしとされていた。
裏で不穏な力が働いているとしか思えない。
2025年春、新学期。最大の楽しみは、生徒会役員の動向よりも、購買のカツサンドがリニューアルすること。