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自称「タイムスリップしてきた松尾芭蕉」
だという面倒くさい系の知人。
たしかに松尾芭蕉にやたら詳しいので、
少し前、奥の細道を
芭蕉が実際に歩いた道を
出来るだけ忠実に辿った。
東京へ戻る日、
「探さないでください。
まったく心配することはありません。
もとの世界に戻るだけですから」という
置き手紙を残して彼は行方不明になった。
おそらく、
タイムスリップしてきた芭蕉というキャラを
貫きたかったのだろう。
きっと今ごろは、
別の芭蕉マニアと
旅をしているにちがいない。




